批評家が選ぶ、サーチライト作品ランキング!“フレッシュ”なおすすめ20選
好きな俳優、好きな監督、好きなジャンルは映画を選ぶ上で重要なポイントのひとつであるが、映画スタジオで作品を選ぶという方はどのくらいいるのだろうか。映画の冒頭に映しだされる様々なスタジオのロゴマーク。コアな映画ファンなら一度は、「このロゴマークが流れた映画ならおもしろいに違いない」と確信したことがあるのでは。数えきれないほど多くの映画スタジオがあるなかで、ひときわ映画ファンから信頼され、そして批評家や映画人からも絶大な支持を集めているのが「サーチライト・ピクチャーズ(旧FOXサーチライト・ピクチャーズ)」の作品だ。
1994年に設立され『マクマレン兄弟』(95)を皮切りに、ほかのメジャースタジオとは一線を画す低予算映画を手掛け、監督や脚本家など新たな才能を発掘してきたサーチライト・ピクチャーズ。『スラムドッグ$ミリオネア』(08)が第81回アカデミー賞作品賞を受賞すると、以後毎年のように製作した作品が賞レースを賑わせ、『それでも夜は明ける』(13)、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)、そして『ノマドランド』(21)がアカデミー賞作品賞を受賞。ウォルト・ディズニー傘下になり社名が変更されてもスタジオの指針や流儀は変わることがなく、作品のクオリティ面においてもよりパワーアップを遂げた印象を受ける。
そこで本稿では、映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」に2019年に掲載されたサーチライト作品の全作品の高評価リストに、2020年以降に公開された作品を追加して再構成。批評家からの評価がとくに高いベスト20(同率作品を含む22作品)を一挙に紹介していきたい。
「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。
それでは、サーチライト作品のフレッシュ作品を挙げてみよう。