『HOMESTAY』で3度目の実写映画化!海外でも愛される「カラフル」の作者、森絵都が描く世界の魅力
令和に生まれ変わった新たな『HOMESTAY』
そして2022年、長尾主演で装いも新たに映画化した『HOMESTAY』。ある出来事で死んだ人間の魂「シロ」は、同時期に死んだ高校生、小林真の身体に「ホームステイ」し、「100日以内に真が死んだ原因を突き止める」というミッションを“管理人”と名乗る謎の人物に課せられ、挑むことに。ただし、期間内に原因を見つけられなかったり、真の家族や友人に正体がバレてしまったら、本当の死が訪れるという条件つき。それでもシロは真として高校生活に舞い戻り、幼なじみの晶(山田杏奈)や真が憧れていた美人の先輩、美月(八木莉可子)との高校生活を満喫しながら、彼の死因を探る。だが、一向に真が死んでしまった原因を見つけられないまま期限は迫り、しだいに晶や美月の本当の想いや、どこかよそよそしい真の父(佐々木蔵之介)と母(石田ひかり)の秘密を知るシロ。そしてついに、真の部屋で彼が死んだ理由に迫るあるものを発見する。
本作では真や晶たちを原作やアニメ版の中学生から高校生に引き上げ、2人のヒロインや両親の設定も現代風にアレンジ。砂時計を片手に残り時間を告げる“管理人”が、濱田岳の演じる看護士の風貌だけではなく、学校の先生やストリートミュージシャン、小さな女の子など様々な姿で何度となく現れ、行き詰まったシロにヒントを与えるのも今回の見どころだ。
また、メガホンをとった『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(11)、『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)の瀬田なつき監督の映像表現にも注目。人間の表の顔と裏の顔を鏡やガラスを使って繊細に映しだし、覗き見るショットなどで多感な高校生の心の機微を浮き彫りにしていく。真の死の真相が解き明かされ、シロの運命が決まる衝撃のクライマックスでは、音楽バンド・ずっと真夜中でいいのに。が書き下ろした主題歌「袖のキルト」に包まれながら、人の想いや絆の大切さを改めて噛みしめることになるはず。
国内外で映像化を繰り返し、多くのファンを集めてきた「カラフル」。新たなスタッフ&キャスト、いまの時代に合わせた脚本で描かれる『HOMESTAY』ではどのようなメッセージが観客に送られるのか?生きることの難しさや尊さを感じながら、森絵都が伝えたかったものを受け取ってほしい。
文/イソガイマサト
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