巨大スクリーンでトム・ホランドと冒険!“IMAX推し”な『アンチャーテッド』はアクション・アドベンチャーの魅力全開
世界的人気を誇るアクション・アドベンチャーゲームを、「スパイダーマン」シリーズのトム・ホランド主演で実写映画化した『アンチャーテッド』が公開中だ。これまで幾多の名作が生まれてきたアドベンチャー映画というジャンルに欠かすことができないのは、なんといっても主人公たちと一緒に冒険に繰りだした気分が味わえる“臨場感”。それを最も味わえるのはやはりIMAXしかないだろう。本稿では、IMAXで観ることで倍増する本作の魅力を探求していきたい。
海洋冒険家フランシス・ドレイクの末裔でありながら、ニューヨークでバーテンダーとして働く“ネイト”ことネイサン・ドレイク(ホランド)。ある時彼は、その手先の器用さが見込まれてトレジャーハンターの“サリー”ことビクター・サリバン(マーク・ウォールバーグ)にスカウトされる。サリーがねらう財宝の価値は、なんと50億ドル。いまひとつサリーを信用できないネイトだったが、生き別れになった兄サムのことをサリーが知っていたことから、ネイトはトレジャーハンターになることを決意。財宝を探す旅に出発するのだが、そこには様々な困難が待ち受けていた…。
原作は“プレイする映画”!?ハイクオリティなゲームを実写化
本作の原作となっているのは、2007年に発売されて以来大ヒットを飛ばしつづける同名のゲームシリーズ。2009年にはゲーム界のアカデミー賞といわれる「AIAS ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を獲得し、これまで5作のメインシリーズと1作のスピンオフ、リマスターされたコレクション作品などが発売。2017年時点でシリーズ累計の全世界売上本数が4170万本を突破し、いまなおその記録を伸ばしている。
このゲームの最大のセールスポイントとなったのは、まるで映画のような圧倒的な映像美と、トレジャーハンターであるネイトが伝説の秘宝や古代都市の謎を解いていく濃密なストーリー性。多くのゲームファンから“プレイする映画”と呼ばれるほど称賛を浴び、本作の製作陣も声を揃えて「映画にするのに最適なゲーム」と太鼓判。また、ネイト役のホランドも『スパイダーマン:ホームカミング』(17)の撮影時に現場にあった当時最新型のPlayStationで「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」をプレイしたことがきっかけで、その世界観にすっかり魅了されたとか。
これまでゲームを原作にした映画作品といえば、本作と同じくトレジャーハンターの活躍を描いた「トゥーム・レイダー」シリーズや、日本で生まれたゾンビゲームの名作をハリウッドで実写化した「バイオハザード」シリーズ。近年でも「バイオハザード」の監督&主演コンビで映画化された『モンスターハンター』(21)など、多くのヒット作が生まれている。これらに共通している成功のカギは、原作ゲームへの愛をもって、その世界観を忠実にスクリーンに再現することであろう。
本作でメガホンをとるのは「ゾンビランド」シリーズや『ヴェノム』(18)を手掛けたルーベン・フライシャー監督。ユーモア全開のコメディ作品からシリアスなハードボイルド映画まで多岐にわたるジャンルの作品を送りだしてきたフライシャー監督の持ち味は、キャリア初期にCMやミュージック・ビデオ監督として培ったスピード感とスタイリッシュな映像テクニック。そして監督自身、子どものころからアドベンチャー映画を作ることを夢見てきたと語っており、原作ゲームにあふれる冒険へのロマンはしっかりと映画に注ぎ込まれている。映画ファンも原作ゲームファンも、その出来栄えに納得するはずだ。