『パワー・オブ・ザ・ドッグ』に『ドント・ルック・アップ』も!Netflixでいますぐ観られるアカデミー賞候補の良作たち
『ミッチェル家とマシンの反乱』(長編アニメーション映画賞ノミネート)
アニメからは『ミッチェル家とマシンの反乱』が長編アニメーション映画賞候補に選出されている。本作は『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)にオスカーをもたらしたフィル・ロード&クリストファー・ミラーのコンビが製作を務めたアドベンチャーコメディだ。
物語は、AIを搭載したお手伝いロボットの反乱による世界の危機に、ダメダメ一家が立ち向かい、バラバラだった家族の絆を再び取り戻していくという内容。主人公ケイティをはじめとする変わり者ばかりのキャラクター、ぶっ飛んでいるギャグなどとにかく笑えるが、それでいて人間の在り方についての真摯なメッセージも込められており、ハイテンションかつウェルメイドな1作になっている。
『ことりのロビン』(短編アニメーション映画賞ノミネート)
短編アニメーション映画賞ノミネートの『ことりのロビン』は、ネズミに育てられたが、大きくなるにつれ、見た目が違うことに気づいてしまったコマドリが、自分がネズミであることを証明するため、大胆な泥棒を実行するというストーリーが展開する。
このストップモーションアニメを手掛けているのが、「ひつじのショーン」や「ウォレスとグルミット」といった作品で知られるアードマン・アニメーションズ。アードマンとしては初めてパペットを使った作品という点でも注目だ。
『オーディブル:鼓動を響かせて』(短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート)
短編ドキュメンタリー映画賞には3作品がノミネートされている。『オーディブル:鼓動を響かせて』は、メリーランドのろう学校に通うアメフト選手アマレ・マッキンストリーとその友人たちの姿を追う青春ドキュメンタリー。学校生活最後の年を迎え、健常者が大多数を占める社会へ歩みだしていくことへの不安や焦燥感、親友の自殺など、様々な困難に立ち向かう若者の切実な姿が描かれる。
『私の帰る場所』(短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート)
アメリカ西海岸地区のホームレス問題にスポットを当てたドキュメンタリー『私の帰る場所』は、ホームレス生活を送る人々を3年以上にわたって追い続け、彼らが置かれている非人道的な状況を浮き彫りにしていく。『グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル』(19)のペドロ・コス、『不都合な真実2:放置された地球』(17)のジョン・シェンクという社会の問題を訴えかけてきた2人が監督を務めた骨太さと人間味のある1作だ。
『ベナジルに捧げる3つの歌』(短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート)
『ベナジルに捧げる3つの歌』は、アフガニスタンはカブールの難民キャンプで暮らす青年と結婚したばかりの妻にカメラを向ける。自分の部族から初めて軍隊に入るという決断をした青年が、家族への責任と自らの夢の間で揺れ動く姿を映しだしていく。
豪華俳優陣が集結したエンタメ性の高いものから、作家性を感じさせる作品、アニメにドキュメンタリーまで、幅広いジャンルの作品でオスカーを賑わせているNetflixの作品たち。授賞式までにチェックすれば、よりその結果を楽しめるはずだ。
文/サンクレイオ翼