劇場独占公開が大成功!『ザ・バットマン』がDC作品歴代4位のオープニングで北米初登場V

映画ニュース

劇場独占公開が大成功!『ザ・バットマン』がDC作品歴代4位のオープニングで北米初登場V

『TENET テネット』(20)のロバート・パティンソンがブルース・ウェイン/バットマン役を演じる『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(3月11日日本公開)が、圧倒的な強さを見せて初登場1位を獲得した先週末(3月4日から6日)の北米興収ランキング。この大成功を後押しした一つの要因として、ワーナー・ブラザースが2021年の戦略とは打って変わり、HBO Maxでの同時配信をせずに45日間の劇場独占公開にシフトしたことが挙げられるだろう。

【写真を見る】『TENET テネット』のロバート・パティンソンが“2年目”のバットマンに!待ち受ける敵は…
【写真を見る】『TENET テネット』のロバート・パティンソンが“2年目”のバットマンに!待ち受ける敵は…写真:EVERETT/アフロ

“DCエクステンデット・ユニバース”に含まれない独立した作品として製作された『THE BATMAN-ザ・バットマン-』。当初は2021年のサマーシーズンの公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって2021年秋へ延期されたあと、2022年3月へ再延期となっていた。

オープニング3日間の興行収入は1億3400万ドル。これは2022年公開作品では『アンチャーテッド』(日本公開中)の4400万ドルにトリプルスコア付ける圧倒的な数字で、コロナ禍以降で見れば2億6000万ドルという脅威的な数字を叩き出した『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(日本公開中)に次ぐ第2位。4417館という上映館数の多さに表れている期待の大きさにしっかりと応えた。

北米4417館で封切られ、2022年公開作ナンバーワンの滑り出しとなった
北米4417館で封切られ、2022年公開作ナンバーワンの滑り出しとなった写真:EVERETT/アフロ

ちなみにDC作品の歴代オープニング興収と比較してみると、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(16)の1億6600万ドル、『ダークナイト・ライジング』(12)の1億6088万ドル、『ダークナイト』(09)の1億5841万ドルに次ぐ好成績で、『スーサイド・スクワッド』(16)や本作同様DCEUに含まれない作品である『ジョーカー』(19)を上回ることにも成功。

またパティンソン出演作品との比較では、「トワイライト」シリーズの2作目『ニュームーン トワイライト・サーガ』(09)と同シリーズの完結編前後編の『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1』(11)と『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2』(12)がいずれも1億4000万ドル前後のオープニングを記録しており、1館あたりのアベレージもそれほど差は見られない。最終興収では、パティンソンのファン以外の層も確実につかむ『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の方が上回ると考ることができよう。


トム・ホランド主演『アンチャーテッド』は北米累計興収1億ドル突破!
トム・ホランド主演『アンチャーテッド』は北米累計興収1億ドル突破!写真:EVERETT/アフロ

そんな『THE BATMAN-ザ・バットマン-』一色のランキングとあって、ほかの上位作品に大きな変動は見られず。3週目にして首位陥落の『アンチャーテッド』は興収1億ドルを突破するヒットで、チャニング・テイタムの『Dog』も興収4000万ドルを突破するスマッシュヒットに。公開12週目でも4位に粘る『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は北米累計興収7億8660万ドルとなり、8億ドルの大台も視野に入ってきた模様。

また刻一刻と授賞式が近付いてきている第94回アカデミー賞のノミネート作品は、前週と比較して劇場数が減少したことを受けいずれも興収ダウン。作品賞候補作で順位を上げたのは『ベルファスト』(3月25日日本公開)と『ナイトメア・アリー』(3月25日日本公開)のみ。現時点で受賞に近いと言われている三つ巴(『ベルファスト』と『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、『コーダ あいのうた』)のうち2作品が配信作品ということも、このオスカー前興行に少なからず影響を与えているのかもしれない。

文/久保田 和馬

関連作品