広瀬すずが読者の質問に次々回答!『流浪の月』で再タッグの李相日監督&松坂桃李への想いも明かす|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
広瀬すずが読者の質問に次々回答!『流浪の月』で再タッグの李相日監督&松坂桃李への想いも明かす

インタビュー

広瀬すずが読者の質問に次々回答!『流浪の月』で再タッグの李相日監督&松坂桃李への想いも明かす

2020年の本屋大賞に輝いた凪良ゆうの同名ベストセラー小説を映画化した『流浪の月』(公開中)で、『怒り』(16)の李相日監督の現場を5年ぶりに体験し、『いのちの停車場』(21)に続いて松坂桃李と共演した広瀬すず。女児誘拐事件の「元誘拐犯」とされた佐伯文(松坂)と、「被害女児」とされた家内更紗が15年後に再会したその後を描く本作。広瀬は10歳の時に2か月だけ一緒に過ごした文との再会によって、恋人の中瀬亮(横浜流星)との幸せな日々を送りながらも、複雑に心が揺れる更紗を繊細に体現している。

『いのちの停車場』に続き、松坂桃李との共演を果たした『流浪の月』
『いのちの停車場』に続き、松坂桃李との共演を果たした『流浪の月』[c]2022「流浪の月」製作委員会

今回、MOVIE WALKER PRESSではTwitterでユーザーから質問を募り、広瀬本人に答えてもらう“AMA”(=Ask Me Anythingの略。ネットスラング風に言うと「広瀬すずだけど、なにか質問ある?」といった意味)を実施。「想像以上にすごくしっかりとした質問が多いですね」と驚く広瀬が、『流浪の月』で再び味わった李監督作品の現場ならではの緊張感から共演者とのエピソード、役柄への取り組み方の変化やプライベートのことまで真摯に答えてくれた。

「『流浪の月』に出演が決まった際に『いま、監督の前でお芝居をするのが怖いです』とコメントされていましたが、実際に撮り終えたいまの気持ちやお芝居の感覚の変化などありますか?」(10代・女性)

「『怒り』の時は、必死でくらいつかなきゃいけない感じがあったのですが、今回は自分もいろいろ経験してきたので、感覚としては当時と同じでは絶対になかったと思います。でも、自分が大きく成長したという実感もないから、(監督に)残念に思われてしまう可能性もあって、怖いなあっていう気持ちが、演じていた時も終わってからも変わらなくて。李さんは、すごく敏感にいろんなことに気づかれる方です。ちょっとでもごまかそうとしようものなら、『それ、やめて!』とか普通に言われます。まだなにも言ってもいないのに(笑)。そういった嘘をつけないという意味で怖いんです。それでも李組は特別で、自分にとってすごく大きなきっかけになる映画になる気がしています。『怒り』の時もそうでしたけど、クランクインの前から直感的にそう思いました。楽しかったですが、やっぱりすごくエネルギーを使う現場でした(笑)。
お芝居の感覚の変化については、自分自身のことだからわからないですが、よくも悪くもなにかは変わったと思います」

「今回すずさんとW主演を務めた松坂桃李さんとは、映画『いのちの停車場』でも共演されていましたが、役柄や関係性の違う『流浪の月』の現場では雰囲気などお互い変化した部分はありますか?」(10代・女性)

ただそばにいようとするだけの2人に、多くの困難が降りかかる
ただそばにいようとするだけの2人に、多くの困難が降りかかる[c]2022「流浪の月」製作委員会

「桃李さんと共演する時はなぜかいつもカップルでも同志の役柄でもなくて。『いのちの停車場』の時も尊敬し合っている2人でしたけど、今回と同じで、設定上私たちの間には我が子じゃない子どもが一人いる状況だったんですよ(笑)。空き時間も2人で喋るというよりいつもそばに子どもがいる似たような環境だったので、こういう運命なんだなという感じがしたし、すごく居心地のいい方です。信頼し合っている関係性の役を2回も連続で演じられて、なんだかつながっている感じはします。普段の桃李さんは演じている時と全然変わらないんです。今回は役柄が役柄だったので現場ではお互いに距離をとっていて、最後の最後にちょっとだけお話ができたんですけど、普段は穏やか過ぎて逆になにを考えているのかわからない。狂気も持ち合わせている文のような人物を飄々と演じられるから『化け物だ~』とも思うし(笑)、ある意味、怖い俳優さんです。リスペクトしかないですね」

「『なつぞら』では娘役だった増田光桜ちゃんと『流浪の月』で再会ですね! 久しぶりに会ってどうでしたか?」(20代・女性)

「すぐ抱きつきに来てくれました。うれしかったです。今回のような関係性の役の場合、リハーサルなどで距離を詰めなきゃいけないんですけど、光桜の場合は朝ドラで1年くらい娘役をやってくれていたので、いちから関係性を作らなくても、もう出来上がった状態でインすることができたんですよね。『李組に光桜!?スゴいじゃん!』ってずっと言っていました。親戚のおばさんみたいでしたね(笑)」

「今回の作品はハツラツとした明るい役というよりは、影のある役かと思います。撮影するにあたってなにか意識したことはありますか?(すずちゃんが演じる影のある役、すごくリアルで大好きです)また、『怒り』の時もそうでしたが、この作品を観る前に自分の知らない世界を知るようで、怖かったり躊躇してしまうような気がしています。もちろん作品は楽しみで絶対に観ますが、これから観る人へメッセージをいただきたいです!」(20代・女性)


恋人の中瀬亮(横浜流星)と幸せな日々を過ごしながらも、どこか空虚な感覚を抱えていた更紗
恋人の中瀬亮(横浜流星)と幸せな日々を過ごしながらも、どこか空虚な感覚を抱えていた更紗[c]2022「流浪の月」製作委員会

「『“そういうこと”があったとはいえ、更紗はいまは明るく生活している普通の人だよ』って、最初にいろんな人から助言してもらっていたので、事件のことはある意味考えずに演じていたのかもしれません。デリケートなことではあるけれど、なにもやましいことはないし、たぶん周囲が思っている感覚と更紗が思っている感覚は違うんです。周りの温度と自分の温度が違う時にちょっと突っ込んだ発言をする更紗もいて。彼氏に束縛されていないかという話をされた時も、『“私みたいな人間”のことは心配するでしょう』みたいなことを言ったり、読めない行動をするんですよね。なので、人との距離感や世間からの目、“家内更紗”という名前だけが勝手にひとり歩きしている感じは辛いけど、周りが思っているほどじゃない、ぐらいのテンションではいたかもしれないです。
こういうなにが嘘でなにが本当なのかがわからなくなっていることって、世の中にはいっぱい転がっていると思うんですよね。だからこそ真実を知ってほしいし、そこに私も当てはまる感情があるような気がします。更紗と文にも希望がある結末なので、そこが(観た人に)どう映ったのかを教えてもらいたいです」

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