阿部寛、『とんび』の入浴シーンは『テルマエ・ロマエ』との差別化を意識!?

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阿部寛、『とんび』の入浴シーンは『テルマエ・ロマエ』との差別化を意識!?

重松清の人気小説を、阿部寛北村匠海を迎えて映画化した『とんび』(公開中)の公開御礼ティーチイン舞台挨拶が、5月8日にイオンシネマ シアタス調布で開催され、主演の阿部と瀬々敬久監督が登壇。阿部は観客に感謝を延べたあと「この映画は本当に出演できて良かったと思えるすばらしい映画です」と挨拶をした。

阿部演じるヤスと、北村演じる息子アキラが織りなす父と息子の親子愛が描かれる本作。レビューサイトに感動の声が多く寄せられていることについて、阿部は「非常にいい反響をいただいています。僕自身もそれを聞いて心からうれ思っています」と喜びを口にすると、瀬々監督も「公開後に日比谷の映画館に観に行ったんですが、男性がよく泣いています。先日知り合いが観に行ったら、女子高生が隣のおじさんが泣きすぎてうるさかったと言っていたという話を聞きました」と笑顔でコメント。

不器用なヤスと、息子アキラの絆の行方は?
不器用なヤスと、息子アキラの絆の行方は?[c]2022『とんび』製作委員会

また、当日が母の日ということで、母の日の思い出について聞かれると、阿部は「カーネーションくらいしかあげた記憶がないんですけど、父は寡黙な人で、母は教育熱心だったから、なにかあると相談していたなという思い出があります」と母親とのエピソードを明かした。

観客とのティーチインでは、劇中でヤスが歌うシーンの演出についての質問が。阿部が「フィンガー5さんの『恋のダイヤル6700』は時代を代表する曲で印象的でしたが、本番で歌う、歌わないの2テイクを撮ったんですけどちゃんと使われていてうれしかったです。あとは酒場で『十九の春』を歌うシーンも好きでした。皆で合唱した時、皆で励まし合う輪ができたのは、監督の狙いだったのか、映画のなかでも一番感動しました」と語る。

選曲の意図を聞かれた瀬々監督は「フィンガー5は阿部さんが勝手に歌ったんですけど、フィンガー5は沖縄県出身で、『十九の春』も沖縄民謡で、本作が沖縄返還された辺りの時代設定ゆえに、時代を表している2つの歌を使用することにこだわりました。『ダイナマイトが百十五屯』は昔、東京に上京した時に先輩がよく歌っていたんです(笑)」と選曲に隠された裏話を明かした。

また、男の子から「一番心に残っている場面はどこですか?」という質問には、阿部は「息子のアキラとお風呂に入るシーンで、1回潜るんで『テルマエ・ロマエ』と同じにならないようにと思って臨んでいました」と語り会場を沸かせた。

砂浜で語り合うヤスとアキラ
砂浜で語り合うヤスとアキラ[c]2022『とんび』製作委員会

さらに、アキラが風邪を引いた時にヤスが桃の缶詰を買ってきて食べさせるシーンが好きだったという男の子に、阿部は「風邪を引いた時にお母さんはなにか出してくれる?」と逆質問。男の子がフルーツだと回答すると、阿部は「やっぱりそうですよね」と時代が経っても変わらない親子間のやり取りに納得していた。

続いて「映画のなかでお酒飲むシーンがありましたが、阿部さんは普段はお酒を飲んでますか?」という質問には阿部「家で自分がCMに出ているお酒を飲んでます。昨日も飲んでました(笑)」と茶目っ気たっぷりに語り、会場を温かい笑いに包んだ。

【写真を見る】阿部寛演じるヤスと、北村匠海演じる息子アキラがみこしをかつぐ名シーン
【写真を見る】阿部寛演じるヤスと、北村匠海演じる息子アキラがみこしをかつぐ名シーン[c]2022『とんび』製作委員会

最後の挨拶では、瀬々監督が涙ぐみながら「この映画は人と人の繋がりを描いていますが、今日も映画を観た皆さんと時間を共有できて非常にうれしいです」と感謝を述べると、阿部も「現場では瀬々さんを親父のようにキャスト、スタッフ一丸となって作っていました。今日は小さいお子さんもいらっしゃって、こうやって僕みたいな人間が前でしゃべっていることが一生の思い出になってくれたらうれしいなとも思います」と感慨深い表情で、イベントを締めくくった。

文/山崎伸子

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