石井マーク&嶋村侑が語り合う、『G-レコ』と過ごした8年間への想い「同じストーリーでも感じ方が違うものになる」
「『G-レコ』の現場だと、自然に嶋村さんを“姉さん”と呼んでしまいます」(石井)
――「没入できる」のは映画館で観るべき!とおすすめできるポイントですね。新規カットや新しい表現が増えたことにより、演じ方に変化はありましたか?
石井「テレビアニメのオーディションで、富野監督から『お芝居をするな』と言われたことがずっと残っています。それはどういうことなのか、ずっと考えてきたのですが、ベルリを演じる時には、感覚的にベルリのスイッチが入るようになっている感じかな。そのせいもあって、ついさっきも(嶋村)姉さんと話していたのですが、僕は台本にあまり書き込みをしないんです。もちろん注意点はメモするけれど、1発目のテストではほぼまっさらの状態で挑みます。画の雰囲気や掛け合いのなかで調整していきます。それがブレにつながることもあるのですが、これが正解というものを考えずにやったほうが、僕なりのベルリが演じられる気がしてここまでやってきました」
嶋村「私は、アイーダとして『しっかりしなきゃ』みたいな気持ちが先走って、(富野監督から)『違う!』みたいに言われることはよくあったかも」
石井「ありましたね。でも、どのキャラクターも劇場版だからってみんな意識して変えようとしていないと思います。もう、それぞれがキャラクターになっているという感じなので」
嶋村「意識したことでいうと、ベルリともっと姉弟になりたいみたいな話を石井くんとした覚えがあります。だから劇場版は、ベルリとアイーダの仲の良さが出ている気がします。まあ、テレビシリーズでも結構2人はイチャイチャしていますが、劇場版はもっとイチャついてます(笑)」
石井「ですね。だいぶアイーダさんに甘えたような感じになっています。確かにイチャついているけれど、『かわいらしいな、この姉弟』と思ってもらえる気がします」
嶋村「そうだね。ベルリ、かわいいもん」
石井「ベルリもかわいくなってるし、些細なやりとりからも2人の仲の良さが感じられます。かといって、特別意識して演じたわけではないんです。テレビシリーズの時よりも僕と嶋村さんの関係性が良くなったので…」
嶋村「なんか、前は悪かったみたいな言い方じゃない?(笑)」
石井「違いますよ(笑)。だって、テレビシリーズの時なんて、僕はド新人だったから、意識しなくても壁はできちゃいますよ。気軽に近寄れないですもん」
嶋村「そんなことなかったよ。最初から物おじせずコミュニケーション取れていたし。本人は緊張していて見えてなかったのかもしれないけれど、周りはそれなりにちやほやしてたはずです」
石井「ちやほやって(笑)。確かに余裕はなかったです。でも、いまではもう『Gレコ』のメンバーは家族みたいな感覚です」
嶋村「確かに、家族みたいだね」
石井「(嶋村)姉さんともプライベートでもお話しする機会が増えたから、距離感が自然に縮まり、それがキャラクターに反映されて、アプローチがしやすくなった部分は大いにあると思います」
嶋村「劇場版が始まったころから、わざわざ連絡をとって会う機会が増えたよね、『元気にしてる?』みたいな感じで」
石井「それがすごくうれしくて。劇場版も映画館に一緒に観に行きましたよね」
――呼び名が「姉さん」となったのも距離が近づいてからですか?
石井「普段は嶋村さんって呼んでいるのですが、『G-レコ』の現場になると自然に姉さんに…」
嶋村「いや、割と普段からずっと“姉さん”だよ」
石井「あれ?やっべ(笑)」
嶋村「でも、確かにテレビシリーズの時は言ってなかった。劇場版が始まったころからだと思う」
石井「頼れる姉さんです!」