石井マーク&嶋村侑が語り合う、『G-レコ』と過ごした8年間への想い「同じストーリーでも感じ方が違うものになる」
「第4部のエンディングには、若い方たちへのメッセージが込められている」(嶋村)
――富野監督が次世代を担う世代に見てもらえる作品として企画したことから始まった『Gのレコンギスタ』。お2人が考える、本作を若い世代や子どもたちにおすすめできるポイントを教えてください。
嶋村「『G-レコ』がスタートして8年。その間に世の中も動いているので、ストーリーは同じでも感じ方が違うものになる気がしています。キャラクターの誰に感情移入するかによっても見え方が変わってくる作品だから、何回観てもおもしろいと思います。第4部には、もしかしたら、エンディングの歌詞に若い方たちへのメッセージが込められているんじゃないかなと」
石井「そうなんですよね!」
嶋村「テレビシリーズのエンディング『Gの閃光』と第4部のエンディング『カラーリング バイ G-レコ』の歌詞を並べると、すごく考えさせられるところがあると思います」
石井「あります!」
嶋村「サラッと聴くと第5部へ向かっていく感じの曲だけど、歌詞をしっかり読み込んで聴いたほうが、絶対にいいよね?」
石井「いまだからこそ歌詞もしっかり読みながら聴いてほしいです。さっき、(嶋村)姉さんが言っていたように、時代背景によって見方が変わる作品だと思います。僕もそうだったように、第4部と第5部を観たら怖いと感じる若い世代は多いと思うんです。特に第4部はタイミング的にもめちゃくちゃ刺さる気がしています。時代ごとにマッチするシーンが、『G-レコ』のなかにはたくさん散りばめられている気がしています」
嶋村「それって『G-レコ』が普遍的なものを持っていることだよね」
石井「ですね。わかりやすい善悪が描かれていないと僕は思っていて…。それぞれの正義と正義のぶつかり合いが描かれています。置かれている立場で捉え方が変わるからこそ、“怖い”とも思いました。同じシーンでもテレビシリーズをやっていたころの僕が第4部を観たら、ただただ演出や映像のすごさに驚いて終わっていたと思うんです。観る人、時代背景によって様々な感想が出る作品だからこそ、一つのことにとらわれず、『こんな考え方もあるかもしれない』みたいな感覚で楽しんでもらえるといいなと思っています」
取材・文/タナカシノブ