R18+で若者のリアルを描く…刺激的な“R指定”青春映画の世界

コラム

R18+で若者のリアルを描く…刺激的な“R指定”青春映画の世界

刺激を求めた女子大生たちが裏社会に…『スプリング・ブレイカーズ』

『KIDS』で脚本を手掛けたハーモニー・コリンは、その後、映画監督や俳優としてめざましい活躍を見せる。2013年にA24とタッグを組んで手掛けたのは青春犯罪映画『スプリング・ブレイカーズ』(13)。本作もまたR15+指定となった作品だ。

フロリダ旅行を謳歌していた4人の女子大生は、いつの間にか裏社会に足を踏み入れてしまう…
フロリダ旅行を謳歌していた4人の女子大生は、いつの間にか裏社会に足を踏み入れてしまう…[c]Everett Collection/AFLO

退屈な大学生活に心底うんざりしている女子大生4人組は、刺激を求めて“スプリング・ブレイク(春休み)”にフロリダ旅行へ出かける。パーティ三昧のご機嫌な日々を送っていた彼女たちは、怪しげな男との出会いをきっかけに裏社会へと足を踏み入れてしまう。セレーナ・ゴメスやヴァネッサ・ハジェンズといった人気女優たちが揃い、ポップでカラフルな色合いで描かれるスキャンダラスな雰囲気は、病みつきになること間違いなし。

岡崎京子の傑作を、若手注目キャストで実写映画化『リバーズ・エッジ』

日本にも心がヒリつくような“R指定”青春映画はある。『ヘルタースケルター』(12)などで知られる人気漫画家の岡崎京子の同名作品を、行定勲監督が実写映画化したR15+指定作品『リバーズ・エッジ』(18)だ。

ごく普通の女子高生といじめられっ子、モデル。一見なんの共通点もない彼らが「河原の死体」を通していびつに結ばれ、生と死、そして青春の終わりと再生に向き合っていく様子を鮮烈に描きだした青春ドラマ。二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平ら注目の若手俳優たちの共演もさることながら、全編にあふれる1990年代の空気感は見逃せない。

SNSと現実が交差する、“いま”を象徴する青春映画『Zola ゾラ』

【写真を見る】ホットで刺激的なフロリダ旅行へ!ストリッパーとダンサーの"48時間の悪夢"を描く『Zola ゾラ』
【写真を見る】ホットで刺激的なフロリダ旅行へ!ストリッパーとダンサーの"48時間の悪夢"を描く『Zola ゾラ』[c] 2021 Bird of Paradise. All Rights Reserved

そしてこの傑作ぞろいの“R指定”青春映画に新たに仲間入りを果たす『Zola ゾラ』。アザイア“ゾラ”キングが自身のTwitterに投稿した実体験を、人気ブランドmiu miuの女性監督シリーズにも抜擢された気鋭のジャニクサ・ブラヴォー監督が映画化した本作は、全米1500スクリーンで公開されるや若者たちから熱狂的な支持を集めスマッシュヒットを記録した。

レストランで働いていた、ウェイトレス兼ストリッパーのゾラは、客としてやってきたステファニと"ダンスができる"という共通点から意気投合。すると翌日ステファニから「ダンスで大金を稼ぐ旅に出よう」と誘われ、困惑しながらも結局行くことに決めるゾラ。しかしそれは、信じられないような悪夢の48時間の始まりだった。

大金を稼ぐためにフロリダへ向かった2人に待ち受ける“悪夢の48時間”とは
大金を稼ぐためにフロリダへ向かった2人に待ち受ける“悪夢の48時間”とは[c] 2021 Bird of Paradise. All Rights Reserved


ゾラ役を『マ・レイニーのブラックボトム』(21)のテイラー・ペイジが演じ、ステファニ役はエルヴィス・プレスリーの孫娘として知られるライリー・キーオ。全米公開時には多くのセレブたちも魅了し、また劇中には人気アーティストたちの楽曲も満載。友情とバイオレンス、SNSと現実が交差した、まさに“いま”を象徴した青春映画と呼べる本作。新たな時代の波を感じながら、ゾラの刺激的な旅路を目撃してほしい。

文/久保田 和馬

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