『太陽がいっぱい』『ローマの休日』…名作の「激レア地上波吹替版」の人気の秘密とは?スターチャンネル担当者を直撃!
「ソフトに収録されていない吹替音源をいかに探し出せるかが肝」
カットされた地上波版を放映するには、取り寄せた最新マスター映像と吹替音声を合わせて編集するなど追加作業も必要となる。その手間は承知で企画を進めたという上原だが、「どうやってスターチャンネルならではの特色を出すのか?」が課題に挙がるなか、出した答えが“激レア”だった。「地上波の吹替版は以前からほかの映画専門チャンネルさんでも継続的に放送されていましたし、近年では吹替ファンのニーズに応えて地上波吹替版入りでDVDやBlu-rayなどのソフトが再発売されるケースも増えてきています。そんななかで、ソフトに収録されていない吹替音源をいかに探し出せるかが肝だと考えました。“ソフト未収録”をスターチャンネルの付加価値にする。これまで放送・配信してきたバージョンすべてがソフト未収録というわけではありませんが、ソフト未収録作品の優先度を高くしています」とのこと。よく知られた作品なのかより、どれだけレアか?を心掛けてセレクトしているという。
ただし、レアな地上波版の音源を見つけるのは簡単ではない。上原に発掘方法を聞くと、それは企業秘密だとしながらも、「まずは各所に聞いてまわること」だという。「基本的にまずライセンサーさんに話をしますが、会社によって保管状況はバラバラです」。とはいえ、運よく音源のテープが見つかっても、経年劣化によるダメージで修繕が必要なケースも少なくない。状態によっては音声を直し切れないこともあるという。「何十年も前のテープやフィルムの場合、どんなに頑張って修復しても音がこもってしまったりすることがあるんです。視聴者の方々にご理解いただけるとありがたいですね」。
「機内上映ですから、一般の方が録画して持っている可能性はゼロ」
そんな発掘作業をしているうちに、偶然から思いがけない作品が掘り起こされるケースもある。9月に「聴き比べ吹替バトル第2弾」としてスターチャンネルで放送される、2本のオードリー・ヘプバーン主演作『パリの恋人』(57)と『マイ・フェア・レディ』(64) の「機内上映版」がそれだ。「機内上映版」とは、航空会社の旅客機の中での上映用に制作された吹替版で、上映中の期間に飛行機に乗り合わせた人しか観ていないトップクラスの激レア品。 これら2バージョンは1980年代に収録されたもので、どちらもオードリーの吹替声優として定評のある池田昌子が声を当てている。(『パリの恋人』と『マイ・フェア・レディ』 の「機内上映版」はスターチャンネル放送のみ)
「“機内上映”ですから、もちろん放送されたことはありませんし、一般の方が録画して持っている可能性はゼロ。ライセンサーに問い合わせても保管されていることはほどんどなくて、幻と諦めていたんですが…」。
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