“指輪”の誕生にヌーメノールの繁栄と崩壊…サウロンの動向で予想する「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の展望 - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
“指輪”の誕生にヌーメノールの繁栄と崩壊…サウロンの動向で予想する「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の展望

コラム

“指輪”の誕生にヌーメノールの繁栄と崩壊…サウロンの動向で予想する「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の展望

かつてモルゴスに協力した南方国の出身、ハルブランドに待ち受ける運命はいかに?

このほか、中つ国の南方ではオークたちが“アダル”という謎の存在の指示で、捕らえた人間やエルフを労働力に地面を掘り進めていた。エピソード4でアダルがその姿を現したものの、何者なのかはわからないまま。しかし、ガラドリエルがヌーメノールで見つけた古い地図に記された地形からも、サウロンの命でこの地に闇の軍勢の拠点となるモルドールを作ろうとしていると考えるのが自然だろう。

“アダル”と呼ばれる謎の存在の命で動く残忍なオークたち
“アダル”と呼ばれる謎の存在の命で動く残忍なオークたち「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」はPrime Video で独占配信中

南方国という点では、ドラマオリジナルキャラクターであるハルブランドにも注目したい。国をオークに滅ぼされ、漂流者として海を流れていた彼は、国王の印が刻まれた首飾りを身に着けていた。出自についてはまだまだ謎が多いが、自身がかつてモルゴスに与した一族の血を引いていることを呪っており、立場は違えど、そのキャラクター像はアラゴルンにも通じるところがある。一方で、海で巨大なワームに襲われた際には一緒に漂流していた人たちを見捨て、執拗に絡んでくるヌーメノール人を怒りに任せて暴力で組み伏せるなど、彼の内に潜む“闇”が見え隠れしているのも気になるところだ。

かつてモルゴスに味方した一族の血を引いているハルブランド
かつてモルゴスに味方した一族の血を引いているハルブランド「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」はPrime Video で独占配信中

モリアの地中深くで眠るバルログは目覚めるのか?

最後にピックアップしたいのが、ケレブリンボールの鍛冶場を建設するため、エルロンドが友人であるドワーフのドゥリン四世(オウェイン・アーサー)に協力を求めて訪れた、霧ふり山脈の地下王国モリアについて。モリアと言えば、「ロード・オブ・ザ・リング」の時にはすでに廃墟となっていたが、本作では豪華絢爛な大都市としての姿を拝むことができる。

豪華絢爛な地下都市が広がるモリアを訪れるエルロンド
豪華絢爛な地下都市が広がるモリアを訪れるエルロンド「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」はPrime Video で独占配信中

しかしこの場所には、かつてモルゴス配下として猛威を振るったバルログの生き残りが眠っている。エピソード2ではドゥリン四世の父、ドゥリン三世(ピーター・マラン)が厳重に守られた箱の中身を確認していたが、エピソード4でそれがモリアで採れる貴重な金属、ミスリルであることが発覚した。この金属を求めてドワーフたちは、地中深くまで掘り進んでいくのだが、そのためにバルログを目覚めさせてしまうのだ。とはいえ、バルログが目覚めるのは第三紀、ドゥリン六世の時代に入ってからのはず。だが、予告編ではその姿が確認できる。さらに、ドゥリン三世はドワーフの七つの指輪を手にした最初の人物でもある(この指輪は子孫であるトーリンの祖父、スロール、スラインへと受け継がれていく)ので、ドワーフたちに訪れるこれらの出来事をドラマ版ではどのように扱っていくのかにも興味を惹かれる。

ドゥリン四世との友情を見ていると、「ホビットの冒険」でエルロンドがトーリンたちを歓迎していたのも納得かも
ドゥリン四世との友情を見ていると、「ホビットの冒険」でエルロンドがトーリンたちを歓迎していたのも納得かも「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」はPrime Video で独占配信中

配信ドラマとは思えない圧倒的なクオリティで展開される「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」。映像だけでなく、衣裳やアイテム、建造物へのこだわりもすさまじく、本当に中つ国という世界が存在し、そこにエルフや人間、ドワーフといった種族が暮らしているのでは?と思わせてくれる。中つ国の人々がどのような運命を辿っていくのか、今後の展開を楽しみに見守りたい。

文/平尾嘉浩

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