『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』サントラ収録の全20曲を徹底解説!リアーナ新曲や世界各国で見出された気鋭まで
16. Jele -Performed by DBN Gogo and Sino Msolo and Kamo Mphela and Young Stunna and Busiswa
「Love & Loyalty (Believe)」と同じチームでもう1曲。これもゴランソンのクレジットがなく、ダバーン・ゴーゴーが作っている。「jele」はコサ語で“刑務所”を意味する。この曲もアフロビーツとアマピアノを掛け合わせた曲だ。
17. Inframundo -Performed by BlueRojo
メキシコ系アメリカ人のブルー・ローホはクィア・シンガーとして活躍しているラテンポップの新鋭だ。囁くような歌声で失恋を歌っており、コーラス部分の裂けるような歌唱がゴランソンの音数を絞ったトラックにぴったり。
18. No Digas Mi Nombre -Performed by calle x vida and Foudeqush
カイェ・ポル・ビダはメキシコのシンガー。前述のFoudequshをフィーチャーしている。ギターの調べで牧歌的な印象を与えるが、「俺の名前を言わないで」「友だちに任せればいい」「自分の国を守り抜く」「この辺りには誰も近寄らせない」との歌詞は、劇中のネイモアの状況、心情にぴったり合致する。
19. Mi Pueblo -Performed by Guadalupe de Jesus Chan Poot
詩の朗読だが、「私の国民」というスペイン語のタイトル以外、詩の言葉もGuadalupe de Jesus Chan Pootの情報も出ていない。ゴランソンたちが現地で出会った人なのではないか、と察する。
20. Born Again -Performed by Rihanna
公開日にリリースされた曲。「生まれ変わり」をコンセプトに、エンドクレジットに挟まれるとても重要なシーンとリンクしている。ソングライターはリアーナ本人とゴランソン、そしてジェームス・フォントルロイとザ・ドリーム。ロック・ネーションのドリーム・チームだ。フォントルロイはリアーナの前作『Anti』で4曲提供、ザ・ドリームは彼女がブレイクした「Umbrella」を書いた張本人。まだ情報がまったくないリアーナの8作目に関わる可能性が高いソングライター・プロデューサーだ。R&Bのカラーが強いバラードだが、咆哮のようなアウトロは「ブラックパンサー」シリーズの世界観を見事に表している。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー オリジナル・スコア』もすでにリリースされている。1時間23分のこちらには、サントラの4曲のフィルム・ヴァージョンも収録されているほか、前作のスコアでも活躍したバーバ・マールほかジョルジャ・スミスも参加している。映画本編を見て、ぜひ両方とも聴き比べてほしい。
文/池城美菜子
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