【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第9回 女に生まれて
いま人気急上昇中のAV女優、MINAMOが愛する映画や本、音楽、さらには自身の様々なことを語る連載「MINAMOの話をきいてミナモ?」。第9回は、MINAMOが自身の苦い過去を振り返りながら「女として生まれたこと」について語ります。
10代の私は、自分が女であることがもどかしくて、憎くてしょうがなかった。そして、生きづらかった
2017年の日記に、私は「女として生きること、女であることに1ミリたりとも幸せだと思わない。女としてこの世に生まれてきたことは1番の不幸だ」と記していた。女として生まれてきたからこその救いのないことや、それに対する悔しさによってそんなことを書いたように思う。
今から私が書く今回のコラムは、もしかしたら誰かの怒りを買い、誰かのやっとできたカサブタを、剥がしてしまうかもしれない。そうならないように、時間をかけて考え、ゆっくりゆっくり今の自分の思う「女にうまれた全て」を書きたいと思う。
ある時、親しくなりたいと思っていた友人に性の対象として見られていたことを知った。悲しかったけれど、仕方がないことなのかとその悲しみをどこかへ押し込めた。ある時、イタズラ心からか、毎日のように後ろからブラのホックを外してくる中学校の同級生がいた。本当は嫌で仕方がなかったのに、ありもしない空気を読んだ私は、ただ耐えた。ある時、友達の好きな人が私のことを好きだと言った次の日、上から私の上履きが降ってきた。授業中に回す手紙が、私だけ抜かされた時、なんてくだらないんだとか思おうとしたがやっぱり悲しかった。どうして怒りをこんな形でしか表せられない人がたくさんいるんだろうとずっとずっと今もまだ思う。
エロ漫画が好きだと友達に打ち明けたら、女のくせに変態、ビッチだと陰で言われていたことを知った。女が変態だったらなにかいけないだろうか。変態=ビッチと、みんなこぞってそう言うことにずっと疑問だった。10代の私は、自分が女であることがもどかしくて、憎くてしょうがなかった。そして生きづらかった。
だが、私を強く、しなやかにしてくれたのは悔しくも、その経験があったからである。そう言えるのは時が経った今だからこそ。どこにもぶつけられない怒りを閉じ込め、誰にも話せない悲しみを隠してきたからこそ、今の私がある。女として生を受けたことの悦びも哀しみも、痛みさえも今の私を生かしている全てだ。
京都府出身。2021年6月にSOFT ON DEMANDよりAV女優としてデビュー。趣味は映画&レコード鑑賞、読書。
YouTubeにて「MINAMOジャンクション」を配信中。
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