2023年に注目すべき韓国スターは誰?映画ライターが目を奪われる“推し”韓流俳優10人

コラム

2023年に注目すべき韓国スターは誰?映画ライターが目を奪われる“推し”韓流俳優10人

世界的なムーブメントを巻き起こした「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」やKゾンビ人気に拍車をかけた「今、私たちの学校は…」など、強さを見せるNetflix配信ドラマをはじめ、是枝裕和監督がメガホンを取り、ソン・ガンホら韓国スター俳優たちが来日も果たした『ベイビー・ブローカー』(上映中)、ディズニープラス「スター」からは12月より『オールド・ボーイ』(03)のチェ・ミンシク主演「カジノ」、三池崇監督×「D.P. -脱走兵追跡官-」チョン・ヘインで贈る「コネクト」が配信開始となるなど、韓国コンテンツ作品は2022年も注目作が目白押しだった。

そして、秀作が誕生するということは、新たなスターも誕生するということ。MOVIE WALKER PRESSでは、韓国コンテンツに造詣が深いライターへアンケートを実施。昨年を振り返り、今年特に光を放った新たな韓国スターから、輝きを増すベテランまで、それぞれが「推せる」と思った俳優たちを一挙紹介する。

なんでもござれのパーフェクト俳優、チョン・ジョンソ&いぶし銀の名優、ソル・ギョング

名匠イ・チャンドン監督に見出された実力派女優、チョン・ジョンソ
名匠イ・チャンドン監督に見出された実力派女優、チョン・ジョンソ[c]百想芸術大賞事務局

イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』(18)のヒロインに抜擢され、巨匠の作り上げる世界観を掌握するのを目にした時、恐ろしい才能が登場に胸が高まったのを覚えている。もちろん、その後の活躍で、彼女は持って生まれた才能を証明した。いまどきの恋愛を赤裸々に綴る『恋愛の抜けたロマンス』(21)では、クールな眼差しとコケティッシュな仕草のギャップが実に可愛らしく、相手役を務めるソン・ソックがうらやましくなるほどだった。「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」シリーズの情熱的な“トーキョー”役も眩しかったが、個人的にはTVINGのオリジナルドラマ「身代金(原題)」で見せた、一話丸ごとロングテイクという驚異的なシーンで緊張感あるアクションをこなす姿に息を呑んだ。シリアス、ホラー、ラブコメ、アクション、なんでもござれの完璧な俳優。2023年も、その先もずっと彼女に見とれていたい。

今年も数々の映画に出演した名優、ソル・ギョング
今年も数々の映画に出演した名優、ソル・ギョング[c]百想芸術大賞事務局

『オアシス』(02)を観て韓国映画にのめり込んだ私にとって、永遠に色あせない“最推し”。無法地帯での極秘任務を取り仕切るチームリーダーを熱演した『夜叉 -容赦なき工作戦-』(21)は渋い色気で100点満点の仕上がりだった。今年の釜山国際映画祭で初上映された『少年たち(原題)』では、少年たちのえん罪を晴らそうと奔走するたたき上げの刑事役もいぶし銀の魅力を放つ。しかし、彼の真骨頂が表れているのは『キングメーカー 大統領を作った男』(上映中)で演じた気骨の政治家キム・ウンボム。特に力を入れたという演説シーンは、役に真摯に向き合うソル・ギョングの魂が宿った一言一言が重く、何度観ても胸に染み入る。出演作を重ねてながら常に新しい姿を見せ、ベテランになってもなお「演技とは、解けないにもかかわらず解こうとしなければならない宿題」と気を引き締める。彼の存在抜きに、韓国映画を語ることは出来ないだろう。
(ライター・荒井 南)

謙虚さとストイックさを併せ持つ、イ・ジュンギ

なんと今年40歳となったイ・ジュンギ!さわやかな白ルックがよく似合う
なんと今年40歳となったイ・ジュンギ!さわやかな白ルックがよく似合う[c]Licensed by SAMHWA NETWORKS CO., LTD.[c]SAMHWA NETWORKS. All Rights reserved

王の男』(06)を初めて観た時の衝撃は未だに忘れられない。コンギルを演じたイ・ジュンギの女性より綺麗な容貌と優雅な立ち居振る舞い、凄然とした眼差しに一目惚れしてしまい、15回も映画館に足を運んだ記憶がある。まだ経験が浅い若手新人だったため、演技力に関しては多少厳しい評価を受ける傾向もあったが、そんなイ・ジュンギが“顔だけでなく、演技も完璧な俳優”と再評価され始めたのはドラマ「犬とオオカミの時間」からだった。『王の男』で大ブレイクしたにも関わらず、いつも謙虚さを忘れずに“いい役者”として認められるまで挑戦し続けたイ・ジュンギの努力がやっと実を結んだ名作だった。そこからイ・ジュンギはアクション、スリラー、ファンタジー、ラブコメ、時代劇など、様々なジャンルの作品で大活躍し、いまは「イ・ジュンギが出る作品はきっとおもしろいだろう」という、いわゆる”信頼して観られる”俳優として位置付けた。おまけに、40代で高校生役を演じても違和感がないストイックな自己管理能力まで、推さずにはいられない。
(MOVIE WALKER PRESS編集部・鄭智喜)

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