演技部門は20名中16名が初選出という結果に!第95回アカデミー賞ノミネーション発表
最強の国際長編映画賞候補は『西部戦線異状なし』
昨年は『ドライブ・マイ・カー』(21)の濱口竜介監督が監督賞、脚色賞、そして国際長編映画賞と作品賞にもノミネートされたが、今年はスウェーデンのルーベン・オストルンドの『逆転のトライアングル』(22)が監督賞と脚本賞、作品賞にノミネートされている。9部門ノミネートの『西部戦線異状なし』も国際長編映画賞と作品賞候補となり、この2部門に同時ノミネートされた過去8作品は全て国際長編映画賞を受賞している。作品賞を含め2部門受賞となったのは、第93回の『パラサイト 半地下の家族』(19)のみ。国際長編映画賞にノミネートされた『The Quiet Girl(原題)』は、アイルランド代表作品として初めて候補入りした。
『フェイブルマンズ』のスティーブン・スピルバーグは、監督部門で9回目のノミネートで、マーティン・スコセッシ監督と並び、存命中の監督としては最多記録になった。プロデューサーとしても作品賞に12回ノミネートされており、プロデューサー個人として最多記録となる。
初ノミネート多数!授賞式は3月12日に開催
ここ数年、多様性・包摂性を上げることが命題とされてきたアカデミー賞だが、先述の演技賞の候補者20名中16名が初ノミネート、監督賞にスウェーデンのルーベン・オストルンド、アイルランド出身のマーティン・マクドナー、中国系アメリカ人のダニエル・クワン(ザ・ダニエルズ)、主演女優賞のミシェル・ヨーはマレーシア出身、アナ・デ・アルマス(『ブロンド』)はキューバ出身の俳優として初ノミネートなど、アメリカ国外にルーツを持つ俳優やクリエイターも多くノミネートされている。日本でも大ヒットしているインドの『RRR』(22)は、インド代表作品が別の作品だったために国際長編映画賞では選出外だったが、ゴールデングローブ賞や映画放送批評家協会賞で歌曲賞を受賞した流れを受け、アカデミー賞でも歌曲賞にノミネートされた。
今年のアカデミー賞作品賞候補要件を満たしていた作品は301本。2021年度の第94回の276本から25本増えている。これら23部門の候補作は、92カ国約9579名のAMPAS(映画芸術科学アカデミー)会員が、それぞれの支部に分かれて投票し決定したもの。授賞式は3月12日にロサンゼルスのドルビーシアターで行われる。