プロデュース業にもチャレンジ!“時代のアイコン”ティモシー・シャラメの活躍を振り返る

コラム

プロデュース業にもチャレンジ!“時代のアイコン”ティモシー・シャラメの活躍を振り返る

最新作では製作としてもその手腕を発揮!

シャラメにとってブレイクのきっかけとなったグァダニーノ監督との再タッグ作『ボーンズ アンド オール』では、製作にも初めて名を連ねており、映画人としての新たな一歩を踏みだしている。

『ボーンズ アンド オール』では製作にも名を連ねている
『ボーンズ アンド オール』では製作にも名を連ねている[c]2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

本作は人を喰べる衝動を抑えられない若者たちが、葛藤しながらも自分たちの居場所を探し求めるホラーロマンス。18歳の少女マレン(テイラー・ラッセル)は生まれながらに人を喰べたくなる衝動を抱えており、その謎に迫るため顔も見たことない母親を探す旅に出ると、旅先で同じ宿命を背負う青年リー(シャラメ)と出会う。無条件で存在を受け入れてくれる相手に、思わず2人は引かれ合っていくのだが…。

シャラメが演じるのは、主人公のマレンが旅の途中で出会う、同じ境遇を抱える青年リー(『ボーンズ アンド オール』)
シャラメが演じるのは、主人公のマレンが旅の途中で出会う、同じ境遇を抱える青年リー(『ボーンズ アンド オール』)[c]2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

シャラメは、人喰いへの抗えない衝動と葛藤などの業を背負ったリーのあきらめのような感情を繊細に表現。一方で、マレンへ向けられる視線には優しさや安堵感を漂わせ、複雑なキャラクターの胸中を体現している。そもそもグァダニーノ監督がメガホンを握る条件がシャラメの起用だったそうだが、その期待にふさわしい演技を見せている。

そんな名演の要因の一つが、グァダニーノ監督と脚本のデヴィッド・カイガニックと共に、製作として脚本を発展させていくところから携わったことだろう。シャラメは演技面以外にもリーのキャラクター像の丁寧な掘り下げを行っている。

『ボーンズ アンド オール』は2月17日(金)公開
『ボーンズ アンド オール』は2月17日(金)公開[c]2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

例えば「リーの服装に関するアイデアの一つは、彼が行く先々で人々から様々な品物を奪って集めているということ。一方で髪を赤く染め、タトゥーを入れることで、無愛想で反抗的だが、自分がどう在りたいかを模索している感じも出そうと決めたんだ」と語るように、ファッション一つにもキャラクターの感情を落とし込んでいるのだ。


グァダニーノ監督の「ティモシーは自分が演じるキャラクターの視点からだけでなく、映画全体の観点から考えることができる稀有な能力を持っている」という言葉が示すように、プロデューサーとしての資質の高さを『ボーンズ アンド オール』で証明したシャラメ。今後のますますの活躍を期待せざにはいられない。

文/サンクレイオ翼

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