J-HOPEが苦悩や喜び、すべてをさらけだす。「j-hope IN THE BOX」で迫るソロ活動の舞台裏
BTSのメインダンサー兼ラッパーであるJ-HOPEのソロデビューアルバム制作に密着し、アルバム完成までの道のりに迫る音楽ドキュメンタリー「j-hope IN THE BOX」が、ディズニープラス「スター」で配信中だ。2月18日に誕生日を迎えたばかりのJ-HOPE。本稿では「j-hope IN THE BOX」がどのような作品なのかを、ARMY(ファンネーム)である筆者が彼の魅力と共に紹介していきたい。
J-HOPEが込めた、“既存の殻を破りたい”という強い想い
BTSは2022年6月に公式YouTubeチャンネル「BANGTANTV」で、今後ソロプロジェクトにも注力していくことを発表。その突然の発表はあまりにも衝撃的で、「実質BTSはグループとしての活動を休止するのでは?」と様々な憶測も飛び交った。メンバーが涙を見せながら語ったこともARMYにとっては不安要素のひとつであっただろう。しかし、そんな不安を一掃してくれたのが、約1か月後にリリースされたJ-HOPEの初の公式ソロアルバム「Jack In The Box」だ。“既存の殻を破り、成長した姿を見せたい”という本人の願いが込められた今作は、米ビルボードのメインアルバムチャート「Billboard 200」で17位を記録。さらに、米シカゴで2022年に開催された大型音楽イベント「ロラパルーザ」では韓国アーティスト初となるへッドライナーを務めるなど、ソロ活動でもグループ活動に負けず劣らずの活躍を見せ、私たちARMYに“希望”を与えてくれた。
「Jack In The Box」のリード曲、「MORE」のMVが公開された日の衝撃はいまでもよく覚えている。いい意味でJ-HOPEにまんまと裏切られたからだ。BTSでの彼は、常に私たちの“希望”であり、誰よりも笑顔でメンバーやARMYを照らす太陽のような明るい存在。しかし「MORE」のJ-HOPEは濃いアイメイクに全身ブラックの衣装で笑顔も見せず、ダークな世界観…。心なしかあえて声質も変えて歌っている気がした。とにかくBTSのJ-HOPEとの印象とは真逆で、まさかここまで“J-HOPEっぽさ”を打ち消した曲でソロ活動をすると思っていなかったため、本当に衝撃だった。“既存の殻を破る”という彼の想いは、十分すぎるほど伝わった。
メンバーのなかで最初のソロアルバムリリースとあり、きっとJ-HOPE自身も相当プレッシャーだっただろうし不安もあったのではないかと思う。そんな彼の、ほとんど表に出てこなかった創作活動に対する不安や苦悩、惜しみない努力、情熱的な溢れる姿が映しだされているのが「j-hope IN THE BOX」だ。予告編でもライブ前のステージへ没入していく真剣な表情や、レコーディング、激しいダンスレッスンをこなす姿など、世界中のファンを魅了し続けるJ-HOPEの知られざる素顔の数々が明らかになっているが、本編を観れば、なぜ彼が既存のイメージとは真逆のアルバムでソロ活動を行ったのか。ソロアルバムに込められた想いとはなんなのか。そして、BTSとしてではなくソロとしても世界的大成功を収めることができた所以がわかるはずだ。