第1回新潟国際アニメーション映画祭「大川=蕗谷賞」が発表!『犬王』『劇場版 呪術廻戦 0』など受賞作の記念上映も
<プログラム・ディレクター数土直志による受賞理由>
●⻲田祥倫、中野悟史『犬王』(総作画監督)
「音楽に合わせて跳んだり走ったり、『犬王』は全編にわたりアニメーションの動きの魅力が溢れています。その動きを作りだすアニメーターの仕事が『犬王』の見せ場です。時代劇でミュージカルアニメとの難しい課題に挑戦し、見たこともない動きを次々に繰り広げる。日本のアニメーションの最高峰を実現しました」
●木村真二『漁港の肉子ちゃん』 (美術監督)
「⻑年にわたり、アニメーション映画の美術に欠かせない存在であった木村真二さんが、『漁港の肉子ちゃん』でまた素晴らしい仕事を残しました。作品の舞台になった東北地方の漁港を、物語に相応しい繊細さと情感で表現しました。まさに日本のアニメーション技術の極みといえるものです」
●寺尾優一『劇場版「⻤滅の刃」無限列車編』(撮影監督)
「近年、アニメーション制作における撮影の役割が以前より大きくなったと指摘されます。完成したアニメーションの絵に撮影の技が最後に加わることで、作品はさらに輝きを増します。寺尾優一さんはそんな撮影の素晴らしさを、『劇場版「⻤滅の刃」無限列車編』を通じて示し、同時にその技は作品の魅力の大きな部分を担っています」
●東映アニメーション/ダンデライオンアニメーションスタジオ『THE FIRST SLAM DUNK』(CG アニメーション)
「“漫画の絵がそのまま動き出したようなアニメーションを実現したい”、多くの漫画家が夢見る映像を、原作者・井上雄彦と共に最新のCGアニメーションで実現。誰も観たことがない、こんなことが出来るのか、驚きの連続でした。卓越した技術で実現した『THE FIRST SLAM DUNK』の映像は、CG アニメーションの新しい時代を切り拓くことになるはずです」
●MAPPA『劇場版 呪術廻戦 0』(アニメーション制作スタジオ)
「現代の若者の心を掴み空前の大ヒットになった『劇場版 呪術廻戦0』。これはアニメーション制作を担当したMAPPAが設立から12年の若いスタジオであることも無関係ではないはずです。『チェンソーマン』、『ユーリ!!! on ICE』など話題作を次々に生み出すMAPPAは、新しい時代を捉える未来のアニメスタジオなのです」
文/久保田 和馬