『アントマン&ワスプ:クアントマニア』、北米で2023年No. 1となるスタート!
先週末(2月17日から19日)の北米興収ランキングは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作で“フェーズ5”の幕開けを告げる『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(日本公開中)が、大方の予想通り圧勝で首位スタートを飾った。まずはこれまでのMCU作品と本作のオープニング成績を比較していこう。
4345館で封切られた『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の初日から3日間の興収は1億610万ドル。もちろんこれは2023年の公開作としてはナンバーワンの数字。歴代MCU作品31本のなかでは17番目と決して高くはないが、すべての作品を通じてもオープニング興収1億ドルを超えた作品が70本しかないことを踏まえれば堂々たるものだ。
『アントマン』(15)はオープニング興収5722万ドルで最終興収は1億8020万ドル、『アントマン&ワスプ』(17)はオープニング興収7581万ドルで最終興収2億1664万ドルと右肩上がり。シリーズ前2作の興収を上回ることは確実だが、今作は製作費が2億ドル近く(前作は1億6200万ドルだった)に跳ね上がっており、利益は決して大きくないだろう。
ましてや批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの評価は前2作を大きく下回っており、“フェーズ5”は順風満帆とは呼びがたいスタートとなったようだ。次の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』(5月3日日本公開)で巻き返すことに期待しておきたい。
前週比9割以上の興収を維持して10週目も2位に粘った『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(日本公開中)は、この週末をもって全世界興収ランキングで『タイタニック』(97)を上回り3位に浮上。北米累計興収では週末時点で6億5700万ドルと、再上映が好調の『タイタニック』との差はまだ1000万ドル以上。こちらはまだまだ気長に見守っていく必要がありそうだ。
新作ではリーアム・ニーソンが『クライング・ゲーム』(92)のニール・ジョーダン監督とタッグを組んだ『Marlowe』が8位に、「クマのプーさん」をホラー化した『Winnie the Pooh: Blood and Honey』が13位に初登場。さらに『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日日本公開)でアカデミー賞を狙うミシェル・ヨーを後押しするように、21位には『グリーン・デスティニー』の4Kレストア版がランクインしている。
文/久保田 和馬