【第95回アカデミー賞】スティーヴン・スピルバーグ、3度目の監督賞受賞ならず

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【第95回アカデミー賞】スティーヴン・スピルバーグ、3度目の監督賞受賞ならず

現地時間3月12日(日本時間3月13日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第95回アカデミー賞授賞式。監督賞は、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(公開中)を手がけた“ダニエルズ”のダニエル・クワンとダニエル・シャイナートに輝き、初の自伝的作品『フェイブルマンズ』(公開中)を送りだした巨匠、スティーヴン・スピルバーグは惜しくも受賞を逃した。

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約50年にわたるキャリアのなかで、『ジョーズ』(75)や『E.T.』(82)、「ジュラシック・パーク」シリーズなど数々の変幻自在な作品を世界に送り出してきたスピルバーグ監督が、映画監督になる夢を叶えた自身の原体験を描いた本作。初めて映画館を訪れて以来、映画に心を奪われたサミー・フェイブルマン少年(ガブリエル・ラベル)を主人公に、両親との葛藤を経て、様々な人々と出会っていくなかで成長を遂げ、映画監督になるという夢を追い求めていく姿を描く。

本年度のゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞のダブル受賞を果たし、アカデミー賞でも作品賞、監督賞をはじめ主要含む7部門でノミネート。スピルバーグにとって自伝的な作品であるだけに、『シンドラーのリスト』(93)と『プライベート・ライアン』(98)に次いで、3度目のアカデミー監督賞受賞が期待されていたが、残念ながら受賞は叶わなかった。


スティーヴン・スピルバーグは1946年生まれ、アメリカのオハイオ州出身。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で映画を学び、ユニバーサルと契約。1971年のテレビ映画「激突!」で注目を集め、以降『ジョーズ』(75)、『未知との遭遇』(77)、『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(81)、『E.T.』(82)など映画史に残る大ヒット作を次々と手掛け、1993年に『シンドラーのリスト』でアカデミー賞作品賞と監督賞を受賞。『プライベート・ライアン』でも2度目のアカデミー監督賞を受賞した。それ以降も、『ミュンヘン』(05)、『リンカーン』(12)、『ウエスト・サイド・ストーリー』(21)でも、アカデミー監督賞にノミネート。衰えぬ創作意欲やチャレンジ精神であらゆるジャンルの作品を送りだし、76歳となった現在もハリウッド随一のヒット・メーカーとして走り続けている。

文/成田おり枝


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