「THE LAST OF US」など話題作ラッシュ!ペドロ・パスカルが『マッシブ・タレント』で発揮したグレーな魅力
『マッシブ・タレント』では怪しげな大富豪に
そして最新作の『マッシブ・タレント』でも、信用できるのか?できないのか?パスカルのグレーで危うい魅力が存分に生かされたキャラクターに扮している。
多額の借金を抱え、心から望む役を得ることができない落ち目の俳優ニック・ケイジ(ニコラス・ケイジ)は、100万ドルという大金を手に入れるため、スペインの大富豪ハビ(パスカル)の誕生日パーティに参加することに。はじめは嫌々だったものの、自らの大ファンで映画の趣味が合うハビと意気投合し、友情を深めていくニック。しかしある日、接触してきたCIAエージェントから、ハビが国際的な犯罪組織のボスであると告げられ、半信半疑のままスパイとして一世一代のミッションに挑んでいく。
劇中のハビ同様に「ニコラス・ケイジの映画で育った」というパスカルは、そんなリスペクトがあふれ出しているかのようなナチュラルな演技を披露しており、ニックに話しかけるタイミングをいまかいまかと窺ってオドオド…。目を見て話せない視線の行き場や盛り上がって矢継ぎ早になってしまう口調など、その様子はまさに憧れの人に会ったオタクそのものだ。
一緒にドラッグをキメて見せる満面のスマイルなど、ウッキウキのかわいらしい姿を見せているパスカルだが、犯罪組織のボスだとわかるとその笑顔もどこか意味ありげに見えてくるから不思議。「俺に嘘をつくな」と怒りを爆発させ、どこか危険な香りを漂わせた演技には、本当に悪いやつなのか?そうでもないのか?と、グレーな佇まいで観客を惑わせていく。
チャーミングな表情やいい人そうだがどこか胡散臭い裏表を感じさせる演技など、パスカルの魅力が前面に出た1作となっている『マッシブ・タレント』。その魅力を味わえば、彼が話題作に引っ張りだこなことにも納得だ。
文/サンクレイオ翼