南沙良、20歳の躍進を語る「プレッシャーを感じたり、壁にぶち当たったりすることなく、お芝居をただただ楽しんでいる」
「現場の空気や相手の芝居を肌で感じながら柔軟に動きたいので、芝居を固めすぎずに撮影に臨んでいる」
ドラマの前半では感情をあまり表に出さない爽子を演じる苦労もあったに違いないが、「お芝居をするのが楽しかった」という南の言葉からはそれがまったく感じられない。『幼な子われらに生まれ』(17)で俳優デビューして以来、話題の作品に次々に出演し、大河ドラマに出演したいという夢を早くも叶えてしまったが、そんな現状を南自身はどう受け止めているのだろうか。
「最近は『大河見たよ!』とか『駅のポスターで見たよ』って言ってくださる方が多いので、ありがたいなとは思います」と感謝の気持ちを述べたうえで、「私はとにかくたくさんお仕事がしたいので、このペースが速いと思ったことはないです。プレッシャーを感じたり、壁にぶち当たったりするようなことも全然なくて、お芝居をただただ楽しんでいますね」ときっぱり。ただならぬ器の大きさと生来の俳優の血を印象づける。
そもそも俳優になったのも、「具体的なきっかけがあったわけではないんです。自分じゃない誰かになりたいって漠然と考えていた時に、女優さんってすてきな仕事だなと思って。それが“なりたい”という気持ちに変わっていったんです」と述懐する。その言葉をそのまま体現するように、初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では吃音に苦しむ難しい役を演じて脚光を浴びた。「『幼な子われらに生まれ』の現場で監督の三島有紀子さんから言われた『お芝居をしなくていい。相手の芝居に対して役を通して思ったことをそのままストレートに投げなさい』という言葉をいまでも大事にしていて。現場の空気や相手の芝居を肌で感じながら柔軟に動きたいので、芝居を固めすぎずに撮影に臨んでいます」と自らのスタンスを強く訴える。
それこそ大河ドラマの撮影も「先輩方が多かったので、緊張しながら演じましたが、所作や言葉遣い、セットが普段とは全然違ったし、自分の感じたことのない想いが大姫のなかにあったので、演じるのも楽しかったですね」とコメント。「大姫のような役をこれまで演じたことがなかったので、そこを楽しみながら演じていました」というから頼もしい。