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【ネタバレあり】容赦ない“神の娘”の暴れっぷりに、“中身がコドモ”ヒーローの成長譚!『シャザム!~神々の怒り~』を徹底レビュー

コラム

【ネタバレあり】容赦ない“神の娘”の暴れっぷりに、“中身がコドモ”ヒーローの成長譚!『シャザム!~神々の怒り~』を徹底レビュー

フレディのロマンスにもスポットが当たる!

巣立ちを前にビリーと“家族”の関係がより濃厚になった今作だが、親友フレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)に大きくスポットが当てられているのもポイントだ。彼はキュートな転校生アン(実は“神の娘”3姉妹の末っ子、アンテア)と親密になり、ヒーロー活動より彼女と一緒にいることを優先する。アンを守るため、いじめっ子のブライヤー兄弟を相手に一歩引かず、杖をへし折られても笑顔でいるフレディのポジティブさにも思わず拍手!アンに夢中になることでビリーとフレディの間にわだかまりも生まれるが、このあたりの学園ドラマ風の展開もぜひ楽しみにしてほしい。

前作でビリーから神々の力を与えられ、彼と一緒にヒーローに変身する子どもたち
前作でビリーから神々の力を与えられ、彼と一緒にヒーローに変身する子どもたち[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

“神の娘”3姉妹を演じる豪華俳優陣にワンダーウーマンのサプライズ登場

今作でシャザムの前に立ちはだかる敵も超大物。ヘスペラ、カリプソ、アンテア(レイチェル・ゼグラー)の3姉妹はシャザムの力の源である天界の一族なのだ。変身の呪文「SHAZAM=シャザム」の由来は、ビリーが魔術師から授かった力の持ち主である神々や英雄のイニシャル——S=ソロモンの知恵、H=ヘラクレスの剛力、A=アトラスのスタミナ、Z=ゼウスの万能、A=アキレスの勇気、M=マーキュリーの神速——で、3姉妹はその1人であるアトラスの娘。ちなみに彼女たちもギリシア神話に登場する女神である。

神の娘”3姉妹の(左から)カリプソ、ヘスペラ、アンテア
神の娘”3姉妹の(左から)カリプソ、ヘスペラ、アンテア[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

神様だけにめっぽう強いし、人間に恨みを抱いているため容赦のなさもハンパない。映画の冒頭、美術館のシーンでも逃げ惑う人々を石に変えたり、天界の怪物を街に解き放って廃墟にするなど怒りにまかせて暴走する。召喚する怪物たちは、サイクロプスにミノタウロス、ハーピー、ユニコーン、そしてラスボス的な巨大ドラゴンと、神話やファンタジーの定番ぞろいだ。

巨大ドラゴンなど神話やファンタジーに登場する怪物が街を破壊する
巨大ドラゴンなど神話やファンタジーに登場する怪物が街を破壊する[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

最強の3姉妹を演じているのは、数々の映画賞に輝く英国の大女優ヘレン・ミレン、「キル・ビル」や「チャーリーズ・エンジェル」でおなじみルーシー・リュー、そして『ウエスト・サイド・ストーリー』(20)のヒロインに抜擢されブレイクしたレイチェル・ゼグラーと世代を超えた実力派の俳優たち。70代、50代、20代の3人に姉妹を演じさせるという目の付けどころも「シャザム!」ならでは?

『ウエスト・サイド・ストーリー』のレイチェル・ゼグラーが末っ子のアンテアを演じる
『ウエスト・サイド・ストーリー』のレイチェル・ゼグラーが末っ子のアンテアを演じる[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics


なお、ビリーが憧れる存在として劇中で何度もその名前が挙げられるワンダーウーマン(ガル・ガドット)もラストに登場する。カメオ的なポジションだが、コメディリリーフに思わせ実は…という彼女の起用法も実に「シャザム!」的で思わずサムズアップしてしまう。

【写真を見る】”最強戦士”ワンダーウーマンが降臨!シャザムと交わしたエモい会話は?
【写真を見る】”最強戦士”ワンダーウーマンが降臨!シャザムと交わしたエモい会話は?[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

最後に本作のエンドロールに触れておきたい。前作では子どもがノートに描いたようなヒーローの絵がアニメーションで動いていたが、天界絡みの今作では、やや重厚な銅版画の挿絵風アニメーションになっている。内容に合わせ細部まで趣向を凝らす遊び心も実に「シャザム!」らしい。エンドロールといえば、いまやユニバース系ヒーロー映画のお約束、ミッドクレジットが挿入されている。楽しいサプライズが待っているので、ぜひ映画館で味わってほしい。

文/神武団四郎

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