マリオ生みの親・宮本茂、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に自信!「マリオがやっと人間になった」
イルミネーションと任天堂が共同で制作する映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(4月28日公開)のジャパンプレミアが4月18日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、本作の共同プロデューサーである“マリオの生みの親”で任天堂取締役フェローの宮本茂、イルミネーションのCEO、クリス・メレダンドリが登壇。アンバサダーの西野七瀬と、マリオファン代表ゲストとしてお笑いコンビ「よゐこ」の濱口優、有野晋哉も駆けつけた。
本作は、世界的大ヒットゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の世界を原作としたアニメーション映画。監督は、『ティーン・タイタンズGO!トゥ・ザ・ムービー』(18)のアーロン・ホーヴァスとマイケル・ジェレニック、脚本は『ミニオンズ フィーバー』(22)のマシュー・フォーゲルが担当した。ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージが、魔法に満ちた新世界で、離れ離れになりながらも絆の力で世界の危機に立ち向かう姿を描く。北米ではすでに4月5日より公開となり、ステージで発表された数字では、興行収入6億9296万8890ドル(約930億円)という大ヒットを記録している。会場には、来日したホーヴァス&ジェレニック監督、フォーゲルの姿もあり、観客から大きな拍手を浴びた。
宮本は「僕にとっては、初めてのアニメーションデビュー。こんな派手に飾らせてもらっていいのか」と笑顔を見せ、「7年間、いろいろやってきました。本当にクリスさんのおかげ」とパートナーに感謝しきり。「ワクワクしています」と声を弾ませたメレダンドリも、「宮本さんと一緒に制作できたことを、非常にうれしく思っています」と相思相愛の想いを語っていた。宮本によると「映画を作ってみてもいいかなと思い初めて、10年ちょっと前にクリスさんと会う機会があった。その場所でクリスさんの映画の作り方と、僕のゲームの作り方が似ているという話で盛りあがった。それならばクリスさんと一緒に映画を作ってみたらおもしろいのではないかというところから、スタートしました」と経緯を明かしていた。
制作過程では「大きなスクリーンで、マリオが出てきてどうなるのかと心配していた」という宮本だが、「40年ほど前に8ビットで描いていた漫画のような平面のドット画が、NINTENDO64で3Dになってだいぶ進化したんですが、それでもまだパペットのような感じだった。今回やっと、人間になったぞという手応えを感じています。皆さんも『自分の知っているマリオが、人間になった』と思ってもらえるはず」と自信をのぞかせる。
西野は「観る前から期待をしていたけれど、その期待を遥かに超えていた。迫力も臨場感も、没入感もすごい。展開も早くて次から次へと進んでいく。『もう終わっちゃった!』という感覚」、さらに「諦めない心に憧れながら観た。ピーチ姫の強い部分も堪能できる」と本作を大いに楽しんだ様子。さらに濱口が「ゲームの世界と、映画がどうリンクしていくのかと思っていた。ゲームをしているような展開で、本当に楽しかった」と興奮を口にすると、有野も「僕はゲームが大好きで、ゲームはどのシリーズもやっている。『どのゲームが映画に入ってくるんだろう』と思っていたら、どれも入ってきた」とゲームの世界が映画となって登場したことに驚いていた。
せっかくの機会とあって、西野とよゐこから制作陣に質問を投げかけるひと幕もあり、西野は「具体的にどんな話をしながら、進めていったんですか?」と質問。宮本は「ゲームを大好きな人を裏切らない。ゲームを知らない人が観てもおもしろい。どうしようかといろいろと(アイデアを)練った」、メレダンドリは「デザイン、アニメ、ストーリー、音楽などすべてのプロセスを楽しみながら、細部までこだわって臨んだ」という。すると西野が「細かく散りばめられたこだわりをすごく感じる。1回では、追いきれない」と率直な感想を吐露し、宮本が「大事なこと言いますね」とニヤリ。「音楽もすごいですよね。いくつのゲームの音楽が流れたでしょうか。何回か観てほしいです」と呼びかけていた。
また濱口は「マリオは歴史が長い。それをストーリーや映像化にするにあたってこだわったことは?」と問いかけ、これには宮本が「マリオを大好きな人たちが映画を観に来て、『これは俺が知っているマリオだ』と言ってもらえるかどうか。スクリーン上で、ちゃんと人と思えるように動いているかどうか」とキッパリ。有野が「コントローラーを持って観に行きたかった。エンドロールの最後までおもしろかった!」とゲーム好き代表として声を大にするなか、宮本は「ぜひとも映画館に来て、みんなでマリオを応援してください!」と熱くアピールしていた。
取材・文/成田おり枝