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「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由

インタビュー

「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由

「『ユーリ!!! on ICE』はスポーツアニメだけではなく、『NUMAnimation』設立にも大きく影響しています」(小野)

――「僕ヤバ」だけでなく、23年冬クールに「NUMAnimation」で放送したテレビアニメ「ブルーロック」もかなり大きな反響がありました。

小野「『ブルーロック』は原作とアニメフィルムがすばらしい作品であったことはもちろんですが、『2022 FIFAワールドカップ』での日本代表の躍進やアプリゲーム(『ブルーロック Project: World Champion』)のリリースなど様々な要素が複合されているかと思います。ワールドカップの開催時期に当てて放送しましたが、日本代表の活躍は僕らがコントロールできるものではないので、そこは結果的な部分が大きい作品です(笑)。

原作もののアニメ化の場合、原作出版社、アニメスタジオ、メーカーなどのパートナーの皆様と一緒に、作品ごとに当て方、見せ方、浸透のさせ方を意識しているのですが、一つ軸としてあるのは原作を読んでいない方にも魅力を届けることです。そういう意味で、『ブルーロック』は目標を達成できたタイトルであると実感しています」


「2022 FIFAワールドカップ」との相乗効果でブームとなったサッカーを題材にしたテレビアニメ「ブルーロック」
「2022 FIFAワールドカップ」との相乗効果でブームとなったサッカーを題材にしたテレビアニメ「ブルーロック」[c]金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会

――『ブルーロック』をはじめ、「NUMAnimation」は「体操ザムライ」、「RE-MAIN」、「リーマンズクラブ」とスポーツアニメが強い印象を受けます。これは「NUMAnimation」開始前に放送した「ユーリ!!! on ICE」の影響が大きいのでしょうか?

小野「間違いないです。『ユーリ!!! on ICE』はスポーツアニメだけではなく、『NUMAnimation』設立にも大きく影響しています。ほかのテレビ局は10数年前から深夜アニメ枠を始めていたため、後発のテレビ朝日が深夜アニメ枠を創設させるにはどこにユニークさを持って行くかを考えていました。そんななか、スポーツが強い放送局であることがユニークさにつながるのではないかと。放送権を持っているスポーツ競技とのシナジーをねらおうと話し合いをした結果、選んだのがフィギュアスケートでした。

それまでは『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』の2枚看板があり、テレビ朝日のアニメといえば“キッズ”という印象が根強かったんです。作品の人気はもちろん、ビジネス的なボリュームとしても非常に大きなものになっております。この2枚看板に匹敵するボリュームを『ユーリ!!! on ICE』で初めて体験して、そこから『NUMAnimation』の前身である深夜アニメ枠を仕掛けていきました」

「アニメを観る人の裾野が広がり、SNSサービスの浸透もあって熱狂度を把握できるようになりました」(小野)

――「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」という国民的アニメを長年にわたって放送してきたなか、改めて深夜放送のアニメ作品に注力される理由とは?

小野「テレビ朝日の社内にはアニメを志して入社してきた人も多くいたのですが、その人たちの表現の場がありませんでした。深夜アニメ枠を作ろうとするプロジェクトは何度もあったものの、なかなか難しく…。それはアニメが嫌いというわけではなく、アニメを放送するためには既存番組を終わらせる必要があるなかでの、通常の編成判断であったと思います。しかし、徐々に動画配信サービスをはじめとした視聴環境が変わったことでアニメを観る人の裾野が広がり、SNSサービスの浸透もあって熱狂度を把握できるようになりました。それが深夜アニメ枠を始めるチャンスでもあった。テレビ朝日が最初に企画した深夜アニメ『新世界より』と大ヒットした『ユーリ!!! on ICE』をキッカケに、2019年にようやく表現の場を作ることができました」

インタビューを見守る市川と山田
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