「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由

インタビュー

「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由

コミックス累計発行部数が300万部を突破する桜井のりお原作の人気コミック「僕の心のヤバイやつ」。2023年4月からテレビアニメが放送され、先日6月18日に最終回を迎えた。主人公の中学生男子、市川京太郎(声:堀江瞬)と彼のクラスメイトでモデルとしても活躍する山田杏奈(声:羊宮妃那)が惹かれ合う様子や心の機微を描いた青春ストーリーで、細やかなアニメーションの演出が大きな話題を集め、2024年1月にはテレビアニメ2期の放送も決定している。

そんな本作を放送しているのは、テレビ朝日が展開している深夜アニメ放送枠「NUMAnimation(ヌマニメーション)」。これまでにも、「ワールドトリガー」や「リーマンズクラブ」、「カッコウの許嫁」といった話題作を次々と放送し、今年3月まで放送された「ブルーロック」の大ヒットも記憶に新しい。現在のテレビアニメを発信する放送枠としても、なくてはならない存在と言えるだろう。

そこで今回、「NUMAnimation」枠を担当しているテレビ朝日コンテンツ編成局の小野仁と、「僕の心のヤバイやつ」(以下、「僕ヤバ」)を担当する同局のプロデューサー、遠藤一樹へのインタビューを実施。本作の放送経緯から反響を呼んでいる要因、さらに「NUMAnimation」の誕生経緯や作品の選定基準などについても語ってもらった。

テレビアニメ「僕の心のヤバイやつ」2期は2024年1月から放送予定!
テレビアニメ「僕の心のヤバイやつ」2期は2024年1月から放送予定!

「市川と山田の“エモさ”がしっかり立つようなチームにしたことが心がけたポイントです」(遠藤)

――「僕ヤバ」を「NUMAnimation」で放送した経緯から教えてください。

遠藤一樹(以下、遠藤)「まず原作を読んだ時に、さまざまなタイプのラブコメ作品があるなかで、『僕ヤバ』は血が通っているような、生きているようなキャラクターたちの心理描写が本当に巧みだと感じました。市川はすごく応援したくなるし、山田はとにかくかわいい。そんな2人の関係性の変化が尊く唯一無二であるなと。これをアニメで表現できたら、より多くの方に好きになっていただけるのではないかと考え、『ぜひアニメ化したいです』と秋田書店さんにご提案をしました」

小野仁(以下、小野)「原作ありの作品では、テレビ朝日が初めて幹事を務めたのが『僕ヤバ』です。アニメ化をご提案するにあたり、原作の先生や出版社の方々に『この人、もしくはグループに任せてみよう』と思っていただく努力をしなければいけません。遠藤は原作を因数分解し、アニメとしてどうおもしろくするかの意思統一が取れるスタッフを集め、先方へのプレゼンテーションができたので、アニメ化を任せていただいたのだと思います。桜井先生に聞いたら、『そうじゃない』と言われるかもしれませんが(笑)」

【写真を見る】互いを意識し、少しずつ関係性が変化していく市川と山田がエモい!尊い!
【写真を見る】互いを意識し、少しずつ関係性が変化していく市川と山田がエモい!尊い![c]桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

――おっしゃる通り、監督の赤城博昭さんをはじめ、脚本の花田十輝さん、キャラクターデザインの勝又聖人さん、音楽の牛尾憲輔さんとスタッフ陣にこだわりを感じます。

遠藤「最初に原作を読んで感じたリアルな心理描写を、しっかり表現できるチームが必要であると考え、制作会社のシンエイ動画さんと赤城監督にオファーしました。個人的にもアニメ『からかい上手の高木さん』が好きで、前々からキャラクターを描くことにとても長けていらっしゃるチームだと思っていたからです。アニメ化のご許諾をいただいたあと、シンエイ動画さん、赤城監督と相談してスタッフを決めていきました。

キャラクターデザインの勝又さんはシンエイ動画さんのご推薦です。脚本は、生きいきとしたキャラクター同士の関係性の変化を書くことがとても重要だと感じていたので、花田さんにお願いしたいと僕から熱くご依頼をさせていただきました。音楽の牛尾さんは、『映画 聲の形』など数々のすばらしい劇伴を手掛けられていたということもあり、オファーさせていただきました。その希望が叶ってみなさんにお引き受けいただけたことはとてもうれしかったですね。『僕ヤバ』にはいろいろな魅力が詰まっていますが、なかでも“エモさ”がしっかり立つようなチームにしたことが心がけたポイントです」

パピコって定番のコーヒー味とホワイトサワー味、どっちが好き?
パピコって定番のコーヒー味とホワイトサワー味、どっちが好き?[c]桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

「原作のままではなく、アニメとして観やすいように1話内のストーリーのつながりを意識」(遠藤)

――市川役に堀江瞬さん、山田役に羊宮妃那さんを起用した理由についても教えてください。

遠藤「堀江さんは市川のメンタリティを見事に表現されていましたし、羊宮さんも生っぽいリアルさを感じさせるようなお芝居をオーディションで見せてくれたんです。赤城監督や桜井先生も含めてじっくり議論を重ねた結果、お2人に決定しました。2人のバランスが見事にハマり、結果的にねらい以上の効果を生みだせたと感じます」


離れないように市川のリュックにしがみつく
離れないように市川のリュックにしがみつく[c]桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

――アニメの放送開始から視聴者の反響をどのように感じていますか?

遠藤「話数を重ねるごとに市川と山田の関係性が変化していくため、反響も毎週大きくなっている手応えを感じていました。いい意味で原作のままではなく、アニメとして観やすいように1話内のストーリーのつながりを意識するなど、最初から原作ファンの方以外にもしっかり楽しんでいただける内容にしようと心がけてはいましたね。その成果もあって、アニメから入ってくださった方もかなり多い印象があります。ファンの方の反応がよかったこともあり、テレビアニメ2期も決まりました。引き続きよいものを送りだしたいと強く思っています」

市川にとって山田の存在はまぶしすぎる…
市川にとって山田の存在はまぶしすぎる…[c]桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
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