「僕の心のヤバイやつ」で“沼落ち”する人が続出!「NUMAnimation」プロデューサーに聞く、話題作が生まれる理由
「『アニメ化すべき!』という確信が持てないと、人を巻き込むパワーを出し切れないと思います」(遠藤)
――これまで数々の話題作を放送されてきましたが、作品の選定基準はありますか?
小野「枠タイトルの“沼落ち”を基準にしているのですが、それは裏を返すとプロデューサーたちが“沼に落ちているか”ということになります。テレビ朝日が主体的に幹事を担う企画でも、パートナーとして参加する企画でも同じで、我々プロデューサー陣も(視聴者と)同じくらいの深さで沼に落ちることができるかどうかを基準にしています。それが結果として社内への説得、もしくはパートナーを集める際の説得材料になりますし、責任感にもつながってきます。なので、ジャンルやユーザー層で決めることはありませんね」
遠藤「アニメはいろいろな人を巻き込んで作っていくコンテンツなので、まずは自分が『いろいろな人に喜んでもらえるようなよいものができるからアニメ化すべき!』という確信が持てないと、人を巻き込むパワーを出し切れないと思います。視聴率につながるような原作の人気も大切ですが、アニメ自体が人気になるかどうかは放送してみないとわかりませんから」
――最後に、次回作となる23年夏クール放送の「うちの会社の小さい先輩の話」への期待についてもお聞かせください。
遠藤「『うちの会社の小さい先輩の話』は弊社主導のタイトルではないものの、『僕ヤバ』とはまた毛色の違うラブコメ作品です。観ているだけで癒されるようなオフィスラブコメで、大勢の方に気軽に楽しんでいただけるタイトルとなっています。メインターゲットは男性かなと思っておりますが、視聴者の皆さまからどういった反応をいただくか、注目しています」
小野「これまでのラインナップとは明確にメインターゲットが異なる作品です。我々として一度挑戦してみて、視聴者の方々がどのような反応をされるか見たかった。遠藤が言うようにファンの皆様へのアプローチの仕方は挑戦してみないとわからないことなので、深夜アニメ枠後発組としてジャンルやユーザー、原作もの、オリジナルもの問わず新しいチャレンジは積極的にしていこうと思います」
取材・文/阿部裕華