9月には来日も!「インディ・ジョーンズ」「スター・ウォーズ」音楽の生みの親、ジョン・ウィリアムズの功績をたどる
ファンタジー風味のオーケストラが少年たちの友情に寄り添う『E.T.』
4つ目は、公開時に世界興収記録を打ち立てた『E.T.』。エリオット(ヘンリー・トーマス)たちの自転車が宙に浮き、月をバックにして舞い上がる、あの有名なシーンを彩った「フライング・テーマ」をはじめ、ファンタジー風味のオーケストラが大々的にフィーチャーされた。ハープやピアノ、チェレスタなども導入されており、音の色彩感覚も豊かで、少年少女の友情がテーマの作品らしいファンタジー性が強調された。約40名の作曲家たちへのインタビューで、名作映画音楽の秘話に迫るドキュメンタリー『すばらしき映画音楽たち』(16)では、「フライング・テーマ」作曲時の貴重映像も公開されている。ウィリアムズがその場でピアノを弾きながら、スピルバーグにメロディラインを聴かせ、シーンに合った構成を探っていく。文字どおり二人三脚で音楽と作品を洗練させていく姿からは、現在においても変わらぬ互いへの信頼関係が垣間見えるようだ。
蘇った恐竜を目にした幸福と感動を音楽にした『ジュラシック・パーク』
5番目に取り上げるのは「ジュラシック・パーク」シリーズ。今年公開から30周年を迎えた第一作『ジュラシック・パーク』(93)のスコアでウィリアムズが表現しようとしたのは、現代に蘇った恐竜と出会うということに対する“圧倒的な幸福と興奮”。ドラマチックに盛り上がるメインテーマや、このフレーズを導入にした「ウェルカム・トゥ・ジュラシック・パーク」は、まさにその象徴と言えるだろう。一方で獰猛な肉食獣に追われるスリリングなシーンでは緊張感を際立たせる楽曲もすばらしい役目を果たしており、現実離れした物語ながら、作品全体の臨場感を底上げする音楽はさすがのひと言。ちなみにウィリアムズはスピルバーグが監督した2作目にも参加したが、以降のシリーズには携わっていない。
「スーパーマン」や「ハリー・ポッター」の世界も名曲で彩った!
今回は代表的な作品を取り上げたが、『スーパーマン』(78)でのスーパーヒーローのイメージを決定付けた勇壮なメインテーマや、『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)に始まる「ハリー・ポッター」シリーズの「ヘドウィグのテーマ」など、ウィリアムズが映画に命を吹き込んだ名曲は、まだまだある。「音楽から引退することはできない。それは呼吸のようなもので、私たちの人生だから」と御年91歳のウィリアムズは語るが、最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の生き生きとしたスコアは、それを象徴しているようにも思える。この機会に、映画音楽界至高のマエストロの作品に、ぜひ触れてみてほしい。
文/有馬楽
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