Superflyやドリカム、奥田民生も!歴代日本版エンドソングでひも解く“ピクサーとJ-POPの親和性”
幅広い世代が共感…人気アーティストによる名曲&懐メロ
『マイ・エレメント』のピーター・ソーン監督が手掛けた『アーロと少年』(15)のエンドソングは、Kiroroによる「Best Friend~Mother Earth Version~」。ピクサー監修のもと、2001年リリースの名曲にオーケストラの演奏を加えた特別バージョンだ。隕石の衝突を免れた6500万年前の地球を舞台とする同作では、弱虫で孤独な恐竜アーロ(声:石川樹)と言葉を持たない人間の少年との“言葉を超えた友情”が描かれる。ソーン監督は、「この曲は、本作の感動的なテーマである“真の友情を見つけだし、大切に育むこと”に完璧にマッチしているばかりか、主人公アーロと少年スポットの関係を思い起こさせてくれる」と楽曲を絶賛。Kiroroのふくよかな歌声が作品に温もりを与えている。
そして、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)のダン・スキャンロン監督が、自身の体験を基に描いた『2分の1の魔法』(20)では、スキマスイッチが2005年にリリースした「全力少年」が起用された。
この作品は、魔法を忘れかけた世界を舞台とするエモーショナルな感動作。生まれる前に亡くなった父に一度でいいから会いたいと願うイアン(声:志尊淳)は、魔法で父親を蘇らせようとするが失敗してしまう。そこで兄バーリー(声:城田優)と共に父親を完全に復活させる魔法を探す旅に出るのだが…。“自分を信じ、一歩を踏み出すことの大切さ”という物語のテーマが、歌詞に込められた“覚悟を決め、全力で行動することがセカイを切り開く”というメッセージに相通じるということで楽曲提供のオファーがなされた「全力少年」。スキマスイッチがその想いに応えたことで、勇気みなぎるエンドソングが実現した。
最後はファンタジー・アドベンチャー『あの夏のルカ』(21)のエンドソングとなる、ヨルシカのボーカルsuisが井上陽水の名曲をカバーした「少年時代(あの夏のルカ ver.)」。
北イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に、海で暮らすシー・モンスターの少年ルカ(声:阿部カノン)とその友人のアルベルト(声:池田優斗)によるひと夏の奇跡を描く。メガホンをとったエンリコ・カサローザ監督は、「この曲(『少年時代』)は、(『あの夏のルカ』のように)あの夏の日へのノスタルジアを呼び起こしてくれるので、とても気に入っている曲です」と語っていたが、親世代はもちろんのこと、この曲を初めて聴く若者世代にとっても“大切な夏の思い出”を想起させる深い余韻が残る仕上がりになった。
ディズニー&ピクサー映画はメッセージ性の強いストーリーが特徴。その唯一無二の世界観と方向性を同じくする日本人アーティストの情感あふれる楽曲を重ねることで、作品の伝えたい想いをさらに際立たせていることは間違いない。『マイ・エレメント』のSuperflyによる「やさしい気持ちで(マイ・エレメント ver.)」もそんな一曲としてエンドロールを彩っているので、その幸せなマリアージュを堪能してみてほしい。
文/足立美由紀
『マイ・エレメント』オリジナル・サウンドトラック
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