エモくてアツい戦いから目が離せない『ジョン・ウィック:コンセクエンス』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、キアヌ・リーブス扮する最強の殺し屋が自由を求め戦うシリーズ第4弾、ミュータントとなった4人のカメの冒険を新たなビジュアルで描く長編アニメーション、鬱々とした日々に辟易した主婦が家を飛び出し北極を目指すヒューマン・コメディの、思わず主人公を応援したくなる3本。
世界を股にかけて壮絶なアクション…『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(公開中)
キアヌ・リーヴスが凄腕の殺し屋を演じる「ジョン・ウィック」シリーズ、4年ぶりの4作目がいよいよ登場!グローバルなネットワークを持つ国際犯罪組織連盟、主席連合を敵に回し、世界中の殺し屋から命を狙われた主人公ジョン・ウィックのさらなる戦いは、米国と欧州、さらには大阪を股にかけて展開。
真田広之も出演した大阪では、敵兵団とのノンストップバトルが繰り広げられ、前半から目を奪われる。さらに、ベルリンでの激闘、クライマックスのパリでの決闘と、世界を股にかけて壮絶なアクションが展開。キアヌの熱演はもちろん、主人公の親友である刺客に扮した武道レジェンド、ドニー・イェンとのガチ対決も目が離せず、エモくてアツい!(映画ライター・有馬楽)
タートルズのやんちゃぶりも楽しい痛快作…『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(公開中)
武術をたたき込まれたカメたちが悪の軍団に立ち向かうヒーローアニメ。ニューヨークの地下で人間から隠れるように暮らすタートルズは、ある少女を助けたのを機にヒーローになろうと決意するが…。本作の魅力はなんといっても個性的なビジュアル。緻密でフォトリアルな表現を求め進化してきた長編CGアニメーションだが、本作はまるで手描きのイラストが動きだしたような素朴で温かな味わいを持っている。もともとアニメーションは自由なスタイルや表現が特長で、『スパイダーマン:スパイダーバース』(19)以降トレンドになってきた表現の多様化は大歓迎だ。
ストーリーは家族の絆を軸に展開するアクション満載のヒーローもので、思春期未満のタートルズのやんちゃぶりも楽しい痛快作。タートルズの育ての親スプリンターの声をジャッキー・チェンが演じているが、劇中のアクションもジャッキーのようにコミカルで躍動感にあふれている。一方で人種や差別といった社会問題も内包しており、現実の映し鏡としての歴史も持つアニメーションの役割も担うという、見どころの多い作品だ。(映画ライター・神武団四郎)
ギュッと抱きしめたくなる…『バーナデット ママは行方不明』(公開中)
毒舌で自信家、少々エキセントリックな専業主婦バーナデットのキャラが最高だ。家族と暮らすシアトルを憎み、ご近所トラブルを巻き起こす細かなエピソードも、後々に伏線として効いてくるのが上手い。罵ったり暴挙に出たりしながらも、どこか上品でチャーミングで、ついクスッと笑わせてしまうとは、さすがケイト・ブランシェット。頑張り屋で自分に嘘がつけず、子どもっぽい無邪気さがあるからこそ、目が離せず憎めない。そんなバーナデットの歪んだいまの姿に、本作のテーマが、主張しすぎずユーモラスに浮かび上がる。
出産を機に自ら仕事を辞めたけれど、子育ても永遠に続くわけではなく、有能な人ほど仕事欲や表現欲を抑えられなくなる。それが弾ける“行方不明“からの展開も楽しくて、家族の関係が微笑ましく温かく、最後はもうギュッと抱きしめたくなる(人物も作品も!)。監督は、『6才のボクが、大人になるまで』(14)や「ビフォア」シリーズ(サンライズ、サンセット、ミッドナイト)などで知られるリチャード・リンクレイター。オリジナル脚本と思いきや意外にも小説の映画化だが、バーナデットに自身の母を重ねたというからこその、この親密で“らしい“世界観なのかと大いに納得!(映画ライター・折田千鶴子)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。
構成/サンクレイオ翼