ゆきぽよが若い世代にこそ『BAD LANDS バッド・ランズ』を観てほしい理由「一度負けてもネリみたいに絶対なれる!」
「天童さんは可愛いのに、ものすごく迫力があって怖かった!」
はたして、億を超える大金を手にすることになるネリとジョーだが、しかしなかなかそれを持ちだせない。そんな事態に陥った2人は、いかにして迫りくる様々な敵から金を守り抜き、自分たちのモノにできるのか。色濃いキャラクターがひしめく敵対勢力の一人を演じたのは、なんと天童よしみ。ゆきぽよも、「天童さん、スゴかったですね!メチャクチャ悪くておもしろくてビックリしました。可愛いのに、ものすごく迫力があって怖かったです!」と完全に脱帽した様子だった。
「もし2人のように突然、大金を手にしたら?」という問いに対しても、家族愛にあふれる答えにホッコリさせられた。「まずは妹に車を買ってあげますね。それからフィリピンのおばあちゃんの家を広くリフォームする。あとは貯金かな。もし使うなら、やっぱり家族のために使いたいです。職業柄もあって美味しいご飯屋さんに行く機会も多いのですが、そういう時もやっぱり家族と食べたいなって思っちゃうので。私だけ美味しいものを食べているの、なんかズルくない?って」。
「ちゃんとまっとうな仕事をして、ご飯を食べていくのが一番の幸せだと分かる」
そんな家族想いのゆきぽよが、どうしてもこの映画を観て欲しいのは、「やっぱり若い世代の人たち」だと語る。「いまの時代、よく知らないからこそ危ないバイトに軽い気持ちで手を出してしまう若い子が多いらしくて。一見、おいしそうに聞こえる話には裏があるし、そんな簡単に稼げる仕事なんてないですからね。この映画を観たら、ちゃんとまっとうな仕事をして、ご飯を食べていくのが一番の幸せだと分かるんじゃないかな。(生瀬勝久演じる)高城さんも本作で、『新入りや年寄りはみんな使い捨てだ』って言っていますよね。本当にその通りなんだなって感じますから、反面教師にしてほしい。映画はメチャクチャおもしろいのでとりあえず観てもらって、そうしたら自然と、そういうことも感じ取ってくれるんじゃないかな」とし、エンタメ要素と社会的要素、両面から自信を持って推せる作品だったようだ。
『万引き家族』(18)や『怪物』(23)などとはまた一味違う魅力を放つ安藤サクラの存在感や幅広い演技力も最高なら、山田涼介ほか生瀬勝久、吉原光夫、淵上泰史、江口のりこ、宇崎竜童ほか個性派俳優がみなそろって怪演する本作は、いろいろなお楽しみとハラハラ、深い味わいがたっぷり詰まっている。是非、劇場でネリとジョーの闘い、それぞれの行く先を最後まで観届けて欲しい。
取材・文/折田千鶴子