「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS バッド・ランズ』の家族愛に共鳴|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS バッド・ランズ』の家族愛に共鳴

インタビュー

「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS バッド・ランズ』の家族愛に共鳴

黒川博行の傑作小説を原田眞人監督が映画化した『BAD LANDS バッド・ランズ』(9月29日公開)。主人公ネリ(安藤サクラ)と弟のジョー(山田涼介)が危険な世界を生き抜いていく姿を描いた本作は、物語の舞台となる大阪・西成という街も主役の一人といって過言ではない。個性豊かな登場人物たちがうごめく町の匂いや空気感も、映画を彩る大切な要素となっている。

そんな西成出身で、“浪速のロッキー”と呼ばれた元プロボクサーで俳優の赤井英和にいち早く本作を鑑賞してもらうと、「西成の町の様子が正確に映しだされていました。こんなふうに西成らしさを記録した映像はそれだけで貴重です!」と感激しきり。一方、妻の佳子は「大切な人のためなら、なんでもしようとする登場人物に共感した」とドラマ性にも引き込まれたという。佳子夫人による日常をつづるX(旧Twitter)も人気の赤井夫妻が、本作に登場する西成の見どころをはじめ、映画を通して感じた“信頼できる人がいる幸せ”について語った。

映画の舞台大阪・西成出身の赤井英和と佳子夫妻が『BAD LANDS バッド・ランズ』の魅力を熱弁!
映画の舞台大阪・西成出身の赤井英和と佳子夫妻が『BAD LANDS バッド・ランズ』の魅力を熱弁!撮影/興梠真穂

「ドキュメンタリーを観ているようでした」(英和)

本作は、特殊詐欺に加担するネリと、弟のジョーがある夜、億を超える大金を手にしてしまったことで、様々な巨悪にねらわれる姿を描くクライムサスペンス。次第に明らかになるネリとジョーの過去、なにが真実で嘘なのか、誰が敵で味方なのかわからない、予測不能の展開が連続する。

――まずは『BAD LANDS バッド・ランズ』をご覧になった率直な感想を教えてください。

英和「私が生まれ育った地元である西成の町が、大きなスクリーンにずっと映しだされていたので、懐かしいと同時にとてもうれしかったです。私も実際に西成で映画やドラマを撮影したことがありますが、いろいろと難航したことを覚えています。よく西成の町で撮影ができたな!と思いました。西成の町が正確に映しだされていたので、まるでドキュメンタリーを観ているかのようで。これはぜひ西成区民にも観てもらいたいですね。貴重な映画ができあがったなと、ドキがムネムネしました!」

佳子「いいこと言うな…とまじめに聞いていたのに、最後になにを言うの(笑)!?私も西成に住んでいたことがありますが、本当に『ああ、西成だ』と思うような風景が広がっていました。西成の人たちって、みんなが自分のテンポで生活しているようなところがあって。片方しかない靴を10円で売っている人がいたり、本当にいろいろな人がいるんです。そういった雰囲気までが映しだされていて、すごいなと思いました。三角公園も映っていましたが、あれは実際の三角公園じゃないんですよね?」

ディープな大阪の街の様子が、リアルに描かれている
ディープな大阪の街の様子が、リアルに描かれている[c]2023『BAD LANDS』製作委員会

――一部は大阪市内でもロケが行われていますが、西成の三角公園を意識した町並みなどは、実は滋賀県彦根市にその一角を再現して撮影をされたそうです。

英和「ええ!?あれは実際の三角公園じゃないんですか?三角公園までは、実家から歩いて25秒…いや、20秒くらいのところにあるんですが、本物やと思いました。そのくらい再現度が高い。(劇中で)あの周辺にいたエキストラさんは、西成の方ですか?」

――西成にいらっしゃる方々に撮影隊と一緒にバスで彦根まで行ってもらい、ロケに参加していただいたそうです。

英和「やっぱり!住んでいる方のかもしだす空気感がとてもリアルでしたから。また宇崎竜童さん演じる、主人公のネリを助けていくことになる曼荼羅は、(任侠映画に出てくる)高倉健さんのようなバシッとした刺青ではなく、筋彫りの刺青をしていましたよね。筋彫りって、途中でお金がなくなったり、あまりの痛さに彫るのをやめてしまったりと、中途半端な刺青でもあるので、そういうところからもキャラクターがわかるように描いていらっしゃるんだなと思いました。また盆中(博打)のシーンなんかも、ものすごくリアル。いろいろと調べて、細かいところまで再現されていらっしゃるんだなと感じました」

佳子「登場人物の話す大阪弁も、ものすごくリアリティがあったよね。お笑い芸人の方たちが話しているような大阪弁ではなく、もうちょっとゴヤゴヤしたというか、こもったような話し方で。和くん(英和)も、そういう大阪弁だよね。生活のなかで話している方言という感じが、ものすごく出ていました。赤井には西成の警察関係の知り合いの方もたくさんいるんですが、劇中の刑事も味がありました。西成の刑事さんのなかには『目だけを見て、犯罪者がわかる』とおっしゃっている方もいましたが、そういった佇まいのようなものもよく出ていたなと思います」


英和「西成に辿り着く人って、いろいろな過去を持った人がいるんですよね。指名手配犯が潜伏しているということもあるそうなので、西成の刑事さんは鋭い目を持っていたり、そういう人も多いかもしれません」

吉原光夫は、捜査一課の刑事を演じる
吉原光夫は、捜査一課の刑事を演じる[c]2023『BAD LANDS』製作委員会

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