『ウォンカ』の“紳士“ウンパルンパ役で妙味を発揮、名優ヒュー・グラントの特異な存在感|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『ウォンカ』の“紳士“ウンパルンパ役で妙味を発揮、名優ヒュー・グラントの特異な存在感

コラム

『ウォンカ』の“紳士“ウンパルンパ役で妙味を発揮、名優ヒュー・グラントの特異な存在感

ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督による大ヒット作『チャーリーとチョコレート工場』の工場長としても知られるウィリー・ウォンカの若き日をティモシー・シャラメが演じる『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(公開中)。ウォンカが夢のチョコレート工場を建てる前、美味しいチョコレート店を作る夢を叶えるために奮闘していた日々を描いた物語だ。

小さな紳士・ウンパルンパのインパクトは特大!

【写真を見る】ティモシー・シャラメ扮するウォンカが歌って踊る楽しいシーンも満載!(『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)
【写真を見る】ティモシー・シャラメ扮するウォンカが歌って踊る楽しいシーンも満載!(『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)[c] 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

『チャーリーとチョコレート工場』で、不思議な植物が生え、チョコレートの滝が流れるおとぎの世界のような工場に欠かせないのが従業員ウンパルンパである。1メートルに満たない身長で、生まれはルンパランドのジャングル。カカオ豆が大好きで、カカオ食べ放題&給料もカカオで支払うという条件でウォンカの工場で働いている。働き者だが、歌や踊りジョークも大好きな楽しい人々だ。

『チャーリーとチョコレート工場の秘密』でもウンパルンパのキャラクターは大人気だった
『チャーリーとチョコレート工場の秘密』でもウンパルンパのキャラクターは大人気だった[c]Everett Collection/AFLO

はじまりの物語である『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で、ウンパルンパはウォンカが作ったチョコレートを盗む宿敵として登場。軋轢を経てウォンカと奇妙な絆で結ばれることになる。そんな本作でウンパルンパを演じているのが、日本にも多くのファンを持つ英国の名優ヒュー・グラントだ。英国俳優のヒューならではの紳士らしいたたずまいや、困難にくじけそうなウォンカに対して「私ならやり返す」と鼓舞する姿で、圧倒的な存在感を披露。さらにトランクの中に備えた移動式ミニバーで鮮やかにカクテルを作ったり、空飛ぶ羽を装着したりと目が離せない。

オレンジ色の肌と緑色のヘアを持つ小さな紳士・ウンパルンパを快演!(『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)
オレンジ色の肌と緑色のヘアを持つ小さな紳士・ウンパルンパを快演!(『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)[c]Everett Collection/AFLO

1960年生まれのヒューは、アメリカ人女性に恋をするプレイボーイを演じたラブコメ『フォー・ウェディング』(94)でゴールデングローブ賞主演男優を受賞。たれ目と人なつこい笑顔で世界中の女性を虜にし、その後も『ローマの休日』をモチーフにした『ノッティングヒルの恋人』(99)や『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ、『ラブ・アクチュアリー』(03)など多くのヒット作で不動の地位を確立した。

『ブリジット・ジョーンズの日記』ではブリジットのハンサムな上司ダニエル役でセクシー&チャーミングさをふりまいた
『ブリジット・ジョーンズの日記』ではブリジットのハンサムな上司ダニエル役でセクシー&チャーミングさをふりまいた[c]Everett Collection/AFLO

ラブコメの貴公子として二枚目役で活躍したヒューが、50代となり、ウンパルンパに繫がるドタバタ路線で冴えを見せたのが『パディントン2』(17)である。日本でも世代を超えて親しまれてきた児童文学の映画化で、ヒューはパディントンを陥れる悪役で出演した。彼が演じたブキャナンは落ちぶれた元大物舞台俳優。安っぽいCMや遊園地のショーの司会で食いつないでいたブキャナンは、隠し財産のありかが書き記された絵本を盗み出し、パディントンにその罪を着せ刑務所送りにしてしまう。ホームレスからシスター、騎士、駅のポーターなど次から次に変装しながらロンドンを暗躍。横柄でなりふり構わぬヘンテコな悪漢を、ヒューは楽しそうに演じている。

元スター役の『パディントン2』ではクマのパディントンと共演!
元スター役の『パディントン2』ではクマのパディントンと共演![c]Everett Collection/AFLO

「ヒュー様、子ども向け映画に出演決定」と報じられた当初、SNSにはネガティブな意見が踊ったとが、監督・脚本のポール・キングはヒューを当て書きしただけに、良心のかけらもないが憎めないブキャナン役は適任。映画も高く評価され、不安は杞憂に終わったどころか50代半ばを過ぎてヒューは新機軸を見いだした。

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