本郷奏多が心がける漫画原作の実写化作品との向き合い方…「幽☆遊☆白書」では自身とチームの意識を大切に

インタビュー

本郷奏多が心がける漫画原作の実写化作品との向き合い方…「幽☆遊☆白書」では自身とチームの意識を大切に

「あまりでしゃばりすぎずに、粛々と自分の仕事だけをやっています」

高度な技術を取り入れた作品に数多く参加してきた本郷は、技術の進歩との向き合い方をどのように考えているのだろうか。「CGがあれだけちゃんと動いてくれるなら、例えばなにもしなくてもいいほどの映像ができる時代になってしまうほど技術は進歩していると思います。いままで非現実的だった映像を作れるようになったこと、技術でできることが増えたことは単純にうれしく思います。でもやっぱり細かい感情のニュアンスなどは生身の人間がやったほうが絶対にいいと思うので、まあ、僕が生きている間はこの仕事はなくならないはず。一生この仕事をやっていけたらと思っているので、なくならないでほしいという願望もありますが(笑)」とニヤリ。

本郷演じる飛影の表情にも注目!
本郷演じる飛影の表情にも注目!

最先端の映像技術を取り入れた作品だが、ボロボロになりながらアクションシーンの準備をしたというエピソードは、生身の必要性を物語っている。「生身だからこその生感、ダメージ感みたいなものがあって。いつかそういうところまで演算できるようになってくるかもしれないけれど、リアルでやるからこその良さがあると思うし、そのためにいま生身の俳優としてやるべきことをやった、という感じです」と、役者として現場で求められることに応えるというプロフェッショナルな姿勢を見せた。

「世界中の反応が気になります」と笑顔
「世界中の反応が気になります」と笑顔撮影/興梠真帆

浦飯幽助役の北村匠海は、本作について「日本のエンタテインメントがさらに広がりますように!」とコメントしていたが、本郷は日本発で世界に届けたいものはあるのだろうか。「世界同時配信はNetflixのような形態だからこそできること。映画だとタイムラグもあるし、国によって映画そのものの根付き方も違っていたりするので、同時というのはなかなか難しいです。いま日本はアニメ、漫画文化がすごく大きなものになっているし、世界からも注目されています。そのなかでも人気、実績のあるタイトルを日本で作って世界に発信するってすごく噛み合っている。『幽☆遊☆白書』はまさにすべてが噛み合ったタイトルだったと思います。言語の壁、文化の違いがあっても、映像のすばらしさで感動させることができる作品なので、世界中の反応が気になります」と期待の様子で語り、日本が世界に向けて発信するコンテンツについては「いまの段階では漫画原作(のコンテンツ)が強い気がします」と話した。


こだわり抜いたアクションシーンは見どころ満載
こだわり抜いたアクションシーンは見どころ満載

世界に向けた日本発のエンタテインメントを作るために、日本の映像作りの現場に求められることについて尋ねると、「僕個人としては、役者はあくまで作品のパーツでしかないと思っているので、あまりでしゃばりすぎずに、粛々と自分の仕事だけをやっています」と回答。求められることにしっかりと応え、与えられた役をきっちりこなしたいと話した本郷に、様々なこだわりを持って作り上げた飛影の注目ポイントも教えてもらった。「原作では仲間たちよりだいぶ身長が低いのですが、それは再現することができません。なので、アクションシーンでの構え方をものすごい低い体勢にしてみようということになり。普通に剣を構える時よりも2段階くらい低いところで基本姿勢を作ってバトルスタイルを組み立てていきました。そこはひとつのこだわりポイントです。足をパンパンにさせながら挑んだシーンなので、スピード感のある飛影のアクションにぜひ注目してください」。

取材・文/タナカシノブ

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