『カラオケ行こ!』綾野剛&齋藤潤が明かす、2人の“エモい”関係!「会うたびハグをしていました」
「潤くんに、『一緒の船に乗っているよ』という想いを伝えたかった」(綾野)
――齋藤さんは、いまのように現場で1人きりで戦わなければならない場面も多かったと思うのですが、綾野さんの存在に、支えられたり、救われたりした部分も大きいですか?
齋藤「それはもう…。剛さんは、撮影が始まると僕のことも1人の役者として接してくださるのですが、会うたび『おはよう』って言いながらハグしてくださいますし、お芝居の段取りをした後も、剛さんの方から近寄ってきて『よかったよ』って、ハグしてくださって。それだけで一瞬で疲れが全部吹き飛んでしまうくらい、僕は本当にうれしくて…」
綾野「狂児と聡実を生きる上では、どうしても噛み合わない芝居をし続けなくてはならないので、撮影外では自分たちのパーソナルや、体温を感じられる距離感が大切だと思いました。撮影中はどこか孤独です。だからせめて『一緒の船に乗っているよ』『僕も一緒に漕ぎ続けるからね』という想いを、伝えたかった。それが今回はたまたま“ハグ”という形になったのだと思います。組は各部署も含めて経験者が多いですから、『自分だけが何もわかっていないんじゃないか』と思い不安になります。ですが実は誰も正解なんて分かっていない。なぜなら一緒に作っていくものです。潤くんが今回それを学び、今後更に役者という仕事に魅力を感じ、夢や目標を持ってそれを叶えていく姿を変わらず見つめ続けたいです。そしてぜひ皆さんにも彼を見つめ続けていく証人の1人になってもらえたら幸いです。僕自身も、そうやって皆さんに育てていただきましたから。お互い成長した姿で、また必ず共演したいです。『正欲』での潤くんの存在感も、本当にすばらしかったですし、彼が出演する作品は、チームメイトの活躍を目にするように『いいよ!』『いいね!』と思いながら観ています」
――綾野さんに、ご自身の出演作を見守られている気分はいかがですか?
齋藤「めちゃくちゃうれしいです。でも…ちょっと照れます(笑)」
――齋藤さんも、綾野さんの出演作をいろいろとご覧になっていますか?
齋藤「もちろんです!ただ、(R+18の)『花腐し』だけは、ちょっとまだ観られていなくて…。でも『幽☆遊☆白書』は、必ず観ます!」
綾野「18歳になってからですね(笑)」
齋藤「僕自身はめちゃくちゃ観たいんですけど…」
「剛さんとご一緒する時間は、僕にとってすごく貴重な時間です」(齋藤)
――綾野さんの出演作品は膨大ですし、大人向けの作品もありますからね(笑)。
齋藤「剛さんが芸能活動を始められたのは、20歳くらいの時でしたか?」
綾野「21歳の時」
齋藤「そこからものすごく沢山の経験を積んでいらっしゃる剛さんを前にして、僕がこんな言葉を簡単に口にするのは、なんだかおこがましいような気もするんですけど…」
綾野「全然そんなことないよ」
齋藤「僕としては、『剛さんの背中を追いかけて行きたい』という気持ちがありまして…。今回の作品では、剛さんと一緒に過ごさせていただく時間がとても多かったので、間近にいることでしか得られないものを、自分の目でたくさん盗めたらと思っていたんです。こういう取材の現場もそうですが、剛さんとご一緒する時間は僕にとってすごく貴重な時間なんです」
綾野「うれしいです。ありがとう」
(するとここで綾野が、取材に同席していた編集担当が着ていた服の柄に目を留めて…)
綾野「それって、もしや『THE NOVEMBERS』のTシャツですか?」
――あ、そうです!
綾野「いいですね~。大好きです。つい最近、東京でワンマン公演がありましたよね。ぜひ潤くんにもいつか彼らのライブを見てほしいな。一度聴いたら絶対、琴線に響くと思うから」
齋藤「ノー…ベンバーズ?」
綾野「あとで詳しく教えるね」
――いまのように、綾野さんが普段聴いている音楽や観た映画について、「この曲いいよ」「この映画観ておいた方がいいよ」と、お2人で話したりすることもあるんですか?
綾野「そう言われてみるとあまりそういう会話はしていなかった気がします。『これは教えておかなきゃ』みたいな意識もなかったので。そういった意味では僕ら自身も、本当に狂児と聡実のように、対等でフラットな関係だったのだと思います」
――齋藤さんの中には、綾野さんに聞いてみたかったことがきっとたくさんあるのでは?
齋藤「あ…、はい。あの…僕の希望を、ちょっと言ってもいいですか?」
綾野「もちろん!」
齋藤「(小声で)…剛さんとカラオケに、行きたいです…!」
綾野「アハハ(笑)。ぜひ。“カラオケ行こ!”」
取材・文/渡邊玲子