ジェームズ・ワン監督が語る「アクアマン」の進化!「いい奴も悪い奴も、すべてのキャラクターを突き動かしているのは家族への愛」
「男兄弟って、兄が弟に茶々を入れるのは定番(笑)」
アクションのほかにワンが重視したのは、前作で激しいバトルを繰り広げた弟オームとの関係性だった。「2人は互いを嫌っていますが、世界を救うため相容れないところには目をつぶって手を組むんです。今回はそんな2人の関係性も見どころです。男兄弟って、兄が弟に茶々を入れるのは定番(笑)。アーサーが弟をいじりまくる、ユーモラスな2人の関係性も楽しんでもらえると思います」とワン。
「ワイスピ」シリーズなどアクション超大作から『死霊館』(13)などのホラー作品まで守備範囲の広いワンだが、どの作品にも共通しているのがリアルなキャラクター造形だ。「どんなジャンルの作品も、観客が共感できるキャラクターを作ることは重要だと思っています。アクションからSF、ファンタジー、ホラーまでどんなジャンルでも感情を持ったキャラクターがいれば、観客は宇宙でも海底でも一緒に体験できるんです。もちろん悪魔を憑依させることも(笑)」。
「ジェイソンと撮影している時は、彼のレベルまでテンションを引き上げなければなりません」
前作『アクアマン』でトップスターの座に上り詰め、それ以降『DUNE/デューン 砂の惑星』(20)や『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(23)など次々に話題作に出演しているジェイソン・モモア。前作に続いてのタッグとなるモモアについて、ワンは「見たままの、圧倒的な存在感」と感心。「ジェイソンと撮影している時は、彼のレベルまでテンションを引き上げなければなりません。僕もエネルギーはあるほうですが、撮影中ずっとジェイソンと同じ状態を保つのは大変です」と笑う。モモアが自身のキャラクターを愛し、大切にしているところも魅力で、「情熱的でユーモアがあり、なにごとも楽しむタイプなので一緒に仕事をしていても楽しくなってくるんです。特に本作のようなエンタメ作にはぴったりですね」と絶賛する。
アーサーの弟オームは、ワン作品の常連で演技派として知られるパトリック・ウィルソンが演じている。「パトリックは高い演技力の持ち主で、プロフェッショナルとして姿勢もすばらしい。しかも映画オタクだから、彼との仕事はまるで映画学校時代の仲間といる気分になるので、これまで何度も組んでいます。映画作りは難しくチャレンジでもあるので、お互いにリスペクトし合える仲間の存在は大切です」というワンは、モモアとの化学反応もすばらしかったと回想する。「2人の共演シーンはどれも楽しいものでした。僕が『カット』と言っても演技をやめずに本当の兄弟のように張り合ったり、近くにあるものでお互いを突き合ったりと現場は爆笑の連続でした。彼らが作り出す楽しいバディ感は映画を通して感じてもらえると思います」。