【ネタバレあり】隅々まで存分に堪能!『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』を映画館で観るべき3つのおすすめポイント
炭治郎の叫び、禰豆子の笑顔と「おはよう」に涙
そして物語は「刀鍛冶の里編」の最終話へ。鬼を斬り里の人間を守るか、大事な妹の禰豆子を守るか。二択を迫られる炭治郎の苦悩は計り知れない。妹を人間に戻すためにここまで頑張ってきた炭治郎の心の叫びは、彼が流す大粒の涙以上に観客の涙を誘う。劇場内でも一番、すすり泣く声が響き渡っていたパートだ。さらに、大画面&劇場仕様の音で感動を誘うのが、太陽を克服した禰豆子の笑顔と「おはよう」と炭治郎に語りかけるシーン。続く、禰豆子の「よかったね」のセリフは、炭治郎への観客の心も代弁している。
もちろん、ここでも迫力のアクションシーンが存分に堪能できる。恋柱、甘露寺蜜璃の独特のしなりを見せる日輪刀を使ったアクション(声を担当する花澤香菜も東京で開催された舞台挨拶で甘露寺の日輪刀に触れ「あの刀、どうなっているんだろうね?」と話していた)、霞柱の時透無一郎が「炭治郎…使え!」と、思いを受け継いだ刀のバトンを託す姿は、最終話のタイトル「繋いだ絆 彼は誰時 朝ぼらけ」を体現するシーンで胸が熱くなる。
原作のサブタイトル「彼は誰時 朝ぼらけ」に「繋いだ絆」と加えている点からもわかるように、“繋ぐ”、“絆”はテレビアニメ「刀鍛冶の里編」最終話での重要なテーマでもあるのだ。絆を感じるのは、この戦いで現地にはいない我妻善逸の存在。炭治郎は戦いの最中に、善逸の技である霹靂一閃を思いだし、自身の技に組み合わせて円舞一閃を繰りだす。かまぼこ隊の絆は特別!とうれしくなるシーンを大画面で体感できるのはこの上ない喜びだ。
「柱稽古編」は風柱×蛇柱コンビのド派手な合わせ技で開幕!
そして「柱稽古編」に突入。風柱の不死川実弥と蛇柱の伊黒小芭内がタッグを組み、2人一緒に鬼を倒しにいくど迫力のアクションシーンがたっぷり盛り込まれている。各柱の呼吸や剣技を目撃するのは「鬼滅の刃」シリーズの楽しみの1つだが、今回はそれがいきなりセットで観られるという贅沢な構成に。アニメオリジナルの展開でプラスされたこのシーンを、「柱稽古編」が始まって早々に観られるというのも胸が躍るポイントだ。不死川実弥の“風の呼吸”は豪快で柱の圧倒的強さを印象づけ、伊黒小芭内の“蛇の呼吸”は独特のねっとりさを漂わせながら変幻自在な攻撃を繰り広げる。口の悪い2人によるクールなアクションシーンはちょいワルな雰囲気もあってたまらない!
また、久しぶりに柱たちが集まるシーンにも注目だ。緊急柱合会議には「刀鍛冶の里編」での任務を終えた時透無一郎と甘露寺蜜璃、「柱稽古編」序盤から豪快な戦闘でバッタバッタと鬼を斬りまくった不死川実弥、伊黒小芭内、岩柱の悲鳴嶼行冥、蟲柱の胡蝶しのぶ、水柱の冨岡義勇が集合する。この場所で語られる“痣”の真相も原作漫画を読んでいないテレビアニメ派のファンにとっても大きな見どころの1つだ。鬼舞辻無惨との決戦に備え、鬼殺隊強化のため柱による訓練が行われるのが「柱稽古編」。今後どのような展開が待っているのか、どんな謎が明かされていくのかと続きが気になる見せ方はさすがだ。
また、作品を盛り上げる楽曲にも注目。MY FIRST STORYとHIDEがコラボレーションしたオープニング主題歌の「夢幻」、MAN WITH A MISSION×miletと椎名豪がコラボした本作のスペシャルエンディング、「勝利の鳴動 ~絆ノ奇跡 & 竈門禰豆子のうたREMIX~」がスクリーンで聴けるのもうれしいポイント。音楽同様に大音量で楽しみたいのが、嘴平伊之助や善逸の声。2人とも相変わらずの絶叫を披露し、本作の「柱稽古編」においては日常パートの主にギャグシーンを盛り上げている。様々な任務を経験し成長してきた2人の変わらない一面を味わえ、アニメ「鬼滅の刃」を追ってきたファンの満足度を爆上げしてくれる場面があるのもありがたい限りだ。
映画館の大きなスクリーンで浴びるように楽しみたい映像と音、そして声優キャストの熱のこもった芝居をこの機会に映画館で堪能してみてはいかがだろうか。
文/タナカシノブ
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正式表記
※鬼舞辻の「辻」の部首は「いってんしんにょう」が正式表記