• 映画TOP
  • 映画ニュース・読みもの
  • 話題の大人向け海外アニメにハマる理由はキャラクターにあり!?「ハズビン・ホテルへようこそ」の魅力あふれる地獄の住人たち
話題の大人向け海外アニメにハマる理由はキャラクターにあり!?「ハズビン・ホテルへようこそ」の魅力あふれる地獄の住人たち

コラム

話題の大人向け海外アニメにハマる理由はキャラクターにあり!?「ハズビン・ホテルへようこそ」の魅力あふれる地獄の住人たち

いま、世界中で注目を集めているアメリカ人若手アニメーター、“VivziePop(ヴィヴジポップ)”ことヴィヴィアン・メドラーノが、原作・脚本・監督を務める大人向けインディ・ミュージカル・アニメーション「ハズビン・ホテル」。2019年に公式YouTubeチャンネルで発表されたパイロット版が再生回数1億回を突破するなど大きな話題となり、2020年にはA24によるテレビシリーズ化も決定。長らく続報が待たれていたが、ついに2024年1月にリリースされ、「ハズビン・ホテルへようこそ」のタイトルでAmazon Prime Videoにて独占配信中だ。

配信されるやいなや、日本でも「ハズビンホテル」がXでトレンド入り。ポルノ、ドラッグ、犯罪など、地上波ではまず放送不可能な内容を盛り込んだブラックユーモアたっぷりの過激な世界観と、胸を打つ美しいミュージカルシーンの融合という、ほかのアニメにはない作風に魅了されるファンが急増している。

※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

悪魔の更生施設「ハズビン・ホテル」を舞台にクセ強&魅力的なキャラクターたちが奮闘

物語の舞台は地獄。生前に罪を犯し、死後、地獄に堕ちた罪人たちは、ここで姿を変え、悪魔に転生する。悪魔の人口が増え続け、過密状態の地獄では、年に一度、天国界から天使の軍隊がやって来て、悪魔たちのエクスターミネーション(大量虐殺)を行うことで人口を減らしていた。そんなむごたらしい現状に心を痛める地獄のプリンセス、チャーリーは、地獄の人口対策として、悪魔の更生施設「ハズビン・ホテル」を開業する。悪魔たちが心を入れ替え、更生し、天国へ昇天すれば、平和的に地獄の過密化を解消できるというのがねらいだ。チャーリーは数々の困難にぶつかりながらも、夢の実現のために奮闘していくのだが…。

現在配信されているシーズン1は全8話(前日譚となるパイロット版「Hazbin Hotel」はYouTubeチャンネルで無料公開されている)。ユニークなストーリー、かっこいい音楽とビジュアルに加え、視聴者の心をガッチリとつかんで離さないのが、クセが強くて魅力的なキャラクターたち。そこで本コラムでは、主人公のチャーリーが暮らす地獄界を中心にメインキャラクターたちを一挙紹介。気になるキャラを見つけてみてほしい。

「ハズビン・ホテル」の従業員&入居者たちを一挙に紹介!

●チャーリー・モーニングスター(声:清水理沙)

本名はシャーロット・モーニングスター。地獄の王ルシファーとリリスの間に生まれた娘で、彼らの後継者となる地獄界のプリンセス。基本的に地獄の住人はそれぞれ過去の罪を背負った罪人であるのに対し、地獄生まれ、地獄育ちのチャーリーは、稀少な生粋の悪魔だ。屈託のないまっすぐで朗らかな性格で、心優しい平和主義者。夢見がちで、めちゃくちゃポジティブなところも、いわゆるザ・王道のプリンセスであり、そんな彼女のキラキラした優等生キャラと、極悪非道が横行する荒廃した地獄という場所とのギャップが楽しい。

チャーリーはバイセクシャルという設定で、現在はハズビン・ホテル運営の良きパートナーでもあるヴァギーと恋人同士。一つ目の猫キーキーと、小さいヤギの悪魔ラズルとダズル(戦闘時には巨大な怪物になって空を飛ぶ)をペットとして飼っている。ふわふわのブロンドのロングヘアで、普段は人間のように見えるが、仲間が傷つけられて本当に怒った時などは、頭に鋭い2本の角が現れ、目は赤く発光して悪魔らしいビジュアルに変貌する。

もともとプリンセスという権力を振りかざすタイプではないのだが、あえて振りかざしたところで、地獄の住民たちが彼女に敬意を払うことはまずない。というよりむしろ、悪魔の更生という無謀な目標を掲げる彼女はバカにされているふしがある。実際、思い立ったらすぐ突っ走りがちなチャーリーが行動することで、かえって事態が悪くなるケースも多い。それでも、悪魔たちを自分の家族と考え、彼らのセカンド・チャンスを心から信じているチャーリーの存在が、罪人たちの頑なな心を少しずつ動かしていく過程に胸が熱くなる。

地獄の人口過密化を解消するため、「ハズビン・ホテル」を開業したチャーリー・モーニングスターとパートナーのヴァギー
地獄の人口過密化を解消するため、「ハズビン・ホテル」を開業したチャーリー・モーニングスターとパートナーのヴァギー[c]Everett Collection/AFLO

●ヴァギー(声:種市桃子)

チャーリーの最大の理解者であり、大切な恋人。浅黒い肌に白いロングヘア、左目に大きな赤いXマークの眼帯を着けている。レズビアンで、チャーリーと公私共にパートナーになってから早3年。チャーリーの夢を応援しながらも、純粋すぎる彼女のことが心配で、あらゆるものから守ろうとする姿勢を見せる。素直なチャーリーとは対照的に批判精神を持ち、責任感が強いタイプ。地獄界ではかなり異色のまっとうな人物に見えるが、それもそのはず。実はかつて天国界にいた天使だったのに、とある理由から、地獄へ堕とされてしまったという悲しい過去を持つ。片目を失った理由も、その時の出来事によるものだ。


ヴァギーという名前は、無自覚のセクハラ常習犯である天使軍のリーダー、アダム(声:上田燿司)によって、彼にとっての“最高のもの=ヴァギナ”に因んで名付けられた。チャーリーに自分の過去を打ち明けられず、かえって彼女を傷つけてしまったヴァギーが、第7話で上級悪魔のカミラ・カーマイン(声:森なな子)に「復讐に囚われた心では勝てない。憎しみを捨て、大切な人を思う気持ち、愛の力で突き進め」と諭された結果、新たな天使の翼を手に入れるシーンは感動的。

チャーリーの最大の理解者で、彼女を守ろうと行動するヴァギー
チャーリーの最大の理解者で、彼女を守ろうと行動するヴァギー[c]Everett Collection/AFLO
●「ハズビン・ホテル(パイロット版)」
作品情報へ