話題の大人向け海外アニメにハマる理由はキャラクターにあり!?「ハズビン・ホテルへようこそ」の魅力あふれる地獄の住人たち

コラム

話題の大人向け海外アニメにハマる理由はキャラクターにあり!?「ハズビン・ホテルへようこそ」の魅力あふれる地獄の住人たち

●エンジェル・ダスト(声:平野潤也)

ゲイのポルノ俳優で、アルコールとドラッグと暴力を愛する享楽主義者。コカインに金がかかる分、ただで泊まれるという理由からハズビン・ホテル初の入居者になる。自分が出演したポルノ映画の鑑賞会をホテル内で開いて、チャーリーたちを困惑させたり、常に会話のなかにどぎつい下ネタをぶち込んだり、エンジェル・ダストのキャラクター自体と、その露悪的な言動の数々が本作のレイティングを引き上げているともいえる。

ビジュアルは計6本の腕を持つ、蜘蛛の形をした悪魔。蜘蛛の胸毛をギュッと寄せ上げてバストのように見せるなど、両性具有的な雰囲気とセクシーなテノールの高い声が特徴。ポルノ映画のスタジオを所有する雇用主、ヴァレンティノ(声:後藤ヒロキ)に魂を売って契約を結んでおり、彼による精神的、肉体的DVに苦しみながらも、その服従から逃れることができない。

普段はおちゃらけてばかりのエンジェル・ダストの苦悩にスポットを当てた第4話は、シーズン1の重要エピソードの一つ。エンジェルの嘘で塗り固めた偽りの姿を見抜いたハスクが、励ますわけでも同情するでもなく、同じ人生の負け犬としての現状を認めつつ、「でも、もう一人じゃない」と笑って伝えるハートウォーミングな劇中歌「Loser, Baby」のデュエットシーンには、観ているこちらの魂も救済されるような静かなパワーがある。

ゲイのポルノ俳優で、アルコールとドラッグと暴力を愛する享楽主義者のエンジェル・ダスト
ゲイのポルノ俳優で、アルコールとドラッグと暴力を愛する享楽主義者のエンジェル・ダスト[c]Everett Collection/AFLO

●ハスク(声:平林剛)

ハズビン・ホテルのフロント係兼バーテンダー。ホテルの運営を手伝うアラスターにより、新たな従業員として召喚された。ビジュアルは猫の姿をした悪魔で、背中には赤い翼が生えている。いまは老いぼれのアル中だが、かつては悪魔のなかでも上位にあたる上級悪魔だった。

ギャンブルで身を滅ぼした末、アラスターに魂を売り渡した過去を持ち、いまもその契約に縛られている。戦闘時の武器はギャンブルに使われるトランプカード。不愛想な皮肉屋にして、年の功を感じさせる懐の深さもあり、エンジェル・ダストとは悪魔との契約に苦しむ者同士、友情を育むようになる。低い声がかっこよく、渋いおじさまとしての魅力もたっぷり。

普段は憎まれ口を叩きながら、心も体も傷ついたエンジェル・ダストに寄り添うハスクの優しさに癒される
普段は憎まれ口を叩きながら、心も体も傷ついたエンジェル・ダストに寄り添うハスクの優しさに癒される[c]Everett Collection/AFLO

●ニフティ(声:松嶌杏実)

ハズビン・ホテルの客室係。ハスクと同様に、アラスターによって召喚される。ビジュアルは小さな幼女で、顔全体を占める大きな一つ目が特徴。無邪気な性格で、きれい好きだが、かわいい見た目に反して、残虐で好戦的なタイプ。時にはほかの悪魔たちですら、思わず引いてしまうほどのサイコパスな面をのぞかせる。

エンジェル・ダストと仲がよく、第6話で、エンジェルが体を張って、友だちであるニフティを自分の雇用主、ヴァレンティノの毒牙から必死に守るシーンにはホロリとさせられる。クライマックスのラストバトルでニフティが見せる想像以上の活躍にも注目!

ハズビン・ホテルの客室係で、無邪気な性格ながら残虐で好戦的なニフティ
ハズビン・ホテルの客室係で、無邪気な性格ながら残虐で好戦的なニフティ[c]Everett Collection/AFLO

●サー・ペンシャス(声:上田燿司)

モノづくりが好きな発明家。蛇をモチーフにした悪魔で、一つ目がついたシルクハット風の帽子を被っている。子分はエッギーズと呼ぶ卵の形をしたキュートな悪魔たち。自らの発明品である巨大なマシンを使って、地獄の支配を企てるものの、うまくいったためしがない。仇敵と見なすアラスターやチェリー・ボム(声:小若和郁那)に戦いを挑んでは、あっさり返り討ちに遭うまでがお約束だ。のちにチェリー・ボムに対して密かに恋愛感情を抱いていることも判明する。


当初からドジばかりの憎めないキャラクターだったが、チャーリーたちと和解したあとは、徐々に性格のよさが表れ、エンジェル・ダストに続く、ハズビン・ホテルの2人目の入居者になる。シーズン1を通して、目覚ましい更生を見せた愛すべき人物の一人であり、ラストバトルでの彼の勇気ある行動は、思いがけない結果をもたらすことに。

サー・ペンシャスと彼の部下のエッギーズ
サー・ペンシャスと彼の部下のエッギーズ[c]Everett Collection/AFLO
●「ハズビン・ホテル(パイロット版)」
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