都市ボーイズが『変な家』の“誰にでも起こりうるような怖さ”を語る!「家が気になるようになってしまう」

インタビュー

都市ボーイズが『変な家』の“誰にでも起こりうるような怖さ”を語る!「家が気になるようになってしまう」

「間取りに詳しくなくても“これはおかしい”とわかる違和感」(はやせ)

【写真を見る】都市ボーイズが、実際に映画で使われた間取り図で違和感を解説!
【写真を見る】都市ボーイズが、実際に映画で使われた間取り図で違和感を解説!撮影/興梠真帆

――美術的なところでも着目する点があったということで、岸本さんがおっしゃっていた“没入感”の度合いが伝わってきます。ちなみにお2人が最初に違和感や“変だな”と感じたポイントは?

はやせ「普通に建築をやっていたら、あの間取りが出てきた瞬間に違和感には気づきます」

岸本「そうだね」

はやせ「この間取り図を見た時に思ったのは、建築関係の仕事をしていなくても、間取りに詳しくなくても“これはおかしい”とわかる違和感があること」

岸本「僕でも気づいたからね」

はやせ「“なにこれ?”ってなりますよね。それこそ都市伝説では、壁の中に死体が埋められているみたいな話はよくあって。壁をコンコンコンとノックしていったら、ここだけ音が違う、なんか空間があるという発見は“あるある”です。だけどこの作品は壁の中になにかがあるという発想ではないところがおもしろいなと思いました」

岸本「僕らの業界での間取り系で怖い話となると、基本的には事故物件に行き着きます。間取りも見ますが、注視するのは間取りと場所に対しての値段の違和感。間取り自体がちょっと変だと“変”で終わってしまうことがほとんどで、掘り下げることもありません。いままで『変だな』と思った間取りをもっと深掘りしておけば、新たな発見があったのではないかと映画を観たあとに思ったりもしました」

間取り好きのはやせがチェックするポイントとは?
間取り好きのはやせがチェックするポイントとは?撮影/興梠真帆

はやせ「僕は結構間取りを見るタイプ。以前も京都で気になる間取りの物件を見つけたことがあって。物件概要の一番下に『借りた方だけにお伝えしなければいけない告知義務があります』という一文があったんです。借りたいと思って問い合わせたら、買う予定の人もいると聞き、“借りる”では勝ち目がないと諦めた物件ですが、実際に買った人に告知義務の内容を聞きに行きました」

――はやせさんが住みたいと思ったのは、その借りた人にしか教えない一文を知りたかったから?

はやせ「いや、住んでなにが起きるのかを純粋に体験したかっただけです。結局、そこには遺体が埋められていた井戸があったという話でした。井戸ごと潰してカフェになり、いまは人気店になっています。事故物件としてテレビでも紹介された有名な物件でした」

――人気店になっているとのこと、ホッとしました。岸本さんにも物件絡みの怖い体験談はありますか?

岸本「歌舞伎町のバー店主に『変なのがでるからちょっと見に来て!』と頼まれたことがあって。お店の一角、誰が座っても体調や気分が悪くなるソファー席があるのですが、そこは以前、自殺があった場所だったそうで。その一角だけ空気が違うという感じ。リニューアルしてもその一角だけは変なことが起きていたそうです。加えて、そのバー自体にも変なことが起きていて。居抜きの賃貸でいろいろな店が入れ替わり入るのですが、毎回オーナーが行方不明になっているんです。実際、僕に依頼してきたオーナーとも、いまは連絡が取れなくなっていて。オーナーが変わってもその建物での変な出来事も一緒に引き継がれているという謎は、結局解明できていないまま。でも、オーナーの行方不明は実際になにがあったのか確かめていないので、オカルト的な話ではない可能性も大いにあります」

はやせ「少し前に“山”の形をしている建物の話、したよね?」

岸本「あったね」


この家の間取りにはどんな秘密が…
この家の間取りにはどんな秘密が…[c]2024「変な家」製作委員会

はやせ「漢字の“山”みたいな形をしている建物があって。山の一画目の部分の1階が蔵で、2階が子ども部屋になっているその家では、おじいちゃんから『蔵には絶対入ってはいけない』と言われていたらしく、南京錠でしっかり施錠されていました。でも、入ってはいけないと言われても子どもなら気になるじゃないですか。南京錠といっても古い鍵なので、ちょっと動かしたら開いたらしくて。中を覗いたけれど真っ暗でなにもなくてがっかり。でも、その夜から枕元になにかを訴えたそうな口から血を流す女性が立つようになったということなんです。おじいちゃんからは蔵でなにがあったのか、どうして蔵を開けてはいけないのかは教えてもらえないまま。その家は取り潰されて駐車場になったらしいです。閉鎖的な地域で、家系図的なところも絡んだややこしい話だったようですが、真相はわからないままです」

岸本「家族に秘密がありそうな感じはするよね」

はやせ「僕と一緒だな。実家に帰れないから」

岸本「お家騒動ね」

はやせ「お家騒動というか、家のことを悪く言いすぎて、家に帰ってくるなと言われて(笑)。地元に帰ったら近くのホテルに泊まります。映画を観て“帰る家があっていいな”って思いました。うらやましかったです」

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