『FLY!/フライ!』から『ハッピー フィート』まで、かわいらしくて爽快な気分が味わえる“鳥アニメ”たち
「怪盗グルー」や「ペット」などの人気シリーズを手掛け、昨年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)のヒットも記憶に新しいイルミネーション。このアニメーションスタジオの7年ぶりのオリジナルとなる『FLY!/フライ!』が3月15日より公開中だ。
本作『FLY!/フライ!』をはじめ、“空を飛ぶ”というアクション性の高さからか、鳥を主人公としたアニメーションは数多く作られているので、ここではかわいらしい鳥たちが活躍する海外のアニメ映画を紹介していきたい!
カモの一家が大冒険の旅に出る『FLY!/フライ!』
まずはニューイングランドからジャマイカまで、カモ一家の3000kmもの大冒険を描いた『FLY!/フライ!』から。アメリカ北東部、ニューイングランドの小さな池で暮らすカモの一家は、渡り鳥にもかかわらず一度も池から出たことがなかった。その理由は父親のマック。子どもたちが寝る前には決まって、池を飛び出したカモを襲う悲惨な末路のお話をするなど、心配性のマックは池にいれば一生幸せに生きていけると信じていた。
そんなある日、新たな土地へ引っ越し中の渡り鳥の大群に遭遇すると、その自由な姿に妻のパム、息子のダックス、娘のグウェンは大興奮。自分たちも外の世界を見たいという家族の熱意に負けたマックは渋々引っ越しを決意し、カリブ海の楽園ジャマイカを目指す。
危険いっぱいの旅路を壮大な映像で描く本作は、初めて世界へと飛び立った際の高揚感や障害物だらけの大都会をすり抜けるスリルなど、空を飛ぶ臨場感が抜群。また、飛行中のうんち事情など鳥ならではのギャグも満載で、鳥の気持ちが理解できる(?)1作となっている。
ピクサーらしいエッジの効いた『フォー・ザ・バーズ』
3月29日(金)から劇場で上映されるピクサーの『あの夏のルカ』の同時上映作品として楽しめる短編『フォー・ザ・バーズ』も鳥が主人公の1作。この作品はもともとは『モンスターズ・インク』(01)の公開時に同時上映され、第74回アカデミー賞では短編アニメ賞を受賞している。
内容は、電線に並んで止まっている15羽の小鳥の群れが、仲間になろうと割り込んでくる1羽の大きな鳥を馬鹿にするが、電線がたわんでしまい…というもの。3分ほどの作品ながら寓話的なエッセンスが盛り込まれた、さすがピクサーといった作品だ。
ピクサーの短編では、『ファインディング・ドリー』(16)と同時上映された『ひな鳥の冒険』(16)も第89回アカデミー賞で短編アニメ賞を勝ち取っている。お腹を空かせたシギのひなが波に怯えながらも潮干で貝を掘り当てられるようになるまでの様子が描かれており、動物の感情が伝わってくる映像はとにかくキュート!
コウノトリが赤ちゃんを運んでくる!『コウノトリ大作戦!』
そんなピクサー出身のダグ・スウィートランドがニコラス・ストーラーと共に共同監督を務め、コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという寓話をベースに、コウノトリの宅配便会社が巻き起こす騒ぎをコミカルに描いたのが『コウノトリ大作戦!』(16)。
かつての事故をきっかけに赤ちゃんのお届けを禁止していたコウノトリ宅配便社で、手違いにより人間の赤ん坊が誕生。騒動の発端となった配達員のジュニアは、昇進の機会を逃すまいと会社に内緒で赤ん坊を人間のもとへ届けようとする。
コウノトリのスピーディなデリバリーの様子など空を飛ぶ気持ちよさが楽しめる本作。ウズラ、エミュー、ニワトリといった“飛べない鳥”たちが機械の力に頼って飛ぼうとする一幕など、鳥の特性を活かしたギャグもユニークだ。
ちなみにコウノトリを題材とした作品には、自分をコウノトリだと思い込んだスズメの大冒険を描いた『リチャード・ザ・ストーク 飛べないワタリドリ』(17)もあるので、あわせてチェックしてみてほしい。