「響け!ユーフォニアム」に「スキップとローファー」、「宝石の国」などなど!キャラクターの成長を表現してきた声優、黒沢ともよの自然さ|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「響け!ユーフォニアム」に「スキップとローファー」、「宝石の国」などなど!キャラクターの成長を表現してきた声優、黒沢ともよの自然さ

コラム

「響け!ユーフォニアム」に「スキップとローファー」、「宝石の国」などなど!キャラクターの成長を表現してきた声優、黒沢ともよの自然さ

京都アニメーション制作による北宇治高校吹奏楽部を舞台にした人気シリーズの最新作「響け!ユーフォニアム3」が、4月7日(日)からNHK Eテレにて放送スタート。昨年劇場公開された『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』(23)では先輩たちが引退し、部長に就任した主人公、黄前久美子が部をまとめるために奔走する姿が描かれた。そのラストで、「来年は全国大会で金賞を目指す」と仲間と誓ったシーンを伏線として、本作ではついに久美子たちが3年生に進級。個性豊かな新1年生部員を迎え、高校生活最後となる吹奏楽コンクールに挑むことになる。

どちらかというと久美子は、率先してみんなを引っ張るリーダータイプではない。しかし、ストイックな性格の親友、高坂麗奈(声:安済知佳)などに触発されて奮起したり、生意気な後輩、久石奏(声:雨宮天)などキャラの濃い部員たちの間を取り持つ調整役のようなことを引き受けているうちに、気づいたら自然といつも輪の中心にいる、いい意味で“普通”の女子高生だと言える。そんな“普通”の久美子を、見事に演じ上げているのが声優、黒沢ともよだ。

“自然体”を武器に等身大のキャラクターを好演

子役出身の黒沢は、2010年に劇場アニメ『宇宙ショーへようこそ』の主人公、小山夏紀役で声優デビュー。2015年に放送されたテレビアニメ第1期「響け!ユーフォニアム」が初主演作となった。セリフ回しや声色使いよりも感情表現に重きを置いた演技は、ほかの登場人物との会話劇に彩りを与え、その外連味のなさからくる自然体なキャラクターが視聴者の心を掴み続けている。

【写真を見る】北宇治高校吹奏楽部に強豪校からの転校生が入部してくるなどさらなる波乱を予感させる「響け!ユーフォニアム3」
【写真を見る】北宇治高校吹奏楽部に強豪校からの転校生が入部してくるなどさらなる波乱を予感させる「響け!ユーフォニアム3」[c]武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

昨年放送された「スキップとローファー」でも田舎から上京した主人公の女子高生、岩倉美津未役を務め、慣れない東京に揉まれながらクラスメイトたちとまっすぐに向き合い、青春を謳歌するキャラクターが印象的だった。

こちらも4月から新シーズンがスタートした「ゆるキャン△ SEASON3」では、前シーズンに続いてツーリングが好きな土岐綾乃役を担当。肩の力が抜けた普通の女の子ぶりにも磨きがかかり、劇中でのさらなる活躍に期待したい。

個性派にシリアス、巻き込まれ系まで幅広く演じる

一方で、難事件を次々と解決する推理力に長けた不死のキャラクター、輪堂鴉夜を演じた「アンデッドガール・マーダーファルス」では、仰々しい口調であえて大げさに表現することに徹していた。推理を披露するシーンはまるで講談師のようであり、相棒である真打津軽(声:八代拓)とのやり取りは落語のような軽妙さ。視聴者を明治時代のダークファンタジーの世界へとトリップさせた。

また、「アークナイツ」では、少女でありながら組織のトップを務めるアーミヤ役を担当し、健気に職務を全うしようとする、責任感を滲ませたシリアスな声と演技で新たな一面を覗かせている。

黒沢はどうもキャラの濃い登場人物に囲まれることが多い。華麗な見た目に反して口が悪い主人公ブリュンヒルデ(声:沢城みゆき)の妹、ゲル役で出演の「終末のワルキューレ」でも子分肌の愛されキャラを発揮。「BanG Dream!(バンドリ!)」で演じた奥沢美咲(ミッシェル)における、弦巻こころ(声:伊藤美来)らガールズバンド「ハロー、ハッピーワールド!」のメンバーに翻弄される役回りに関しても同様だ。

関連作品