『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は“IMAX推し”。大スクリーンで観る“エゴい”試合は最高に熱くなる!
わずかな音も正確に再現!IMAXの卓越した映像美でドラマティックな映画体験に
『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は、凪や玲王の属する「チームV」の活躍にフォーカスして展開し、「一次選考」であるチームごとの総当たり戦や、3人チームでメンバーを奪い合う「二次選考」といった試合が描かれる。
潔が属する「チームZ」は、本作では“ライバルチーム”となり、凪たちと熱い戦いを繰り広げることになる。テレビシリーズでは潔たち「チームZ」にとって大きな壁となった「チームV」がどのように絆を深め、チームビルディングを行ってきたのか。試合以外のシーンでは彼らそれぞれの人柄がうかがえるようなやりとりも丁寧に描かれ、凪や玲王だけでなく、2人と共に試合に臨む剣城斬鉄(声:興津和幸)など、「チームV」のメンバーが試合中になにを考え、試合を通してどのように成長してきたのかが掘り下げられる。
IMAXの鮮明でシャープな映像と繊細なサウンドは、こうした“人物の心”の動きを表現するのにも最適だ。各キャラクターを演じるキャストの声はもちろんのこと、驚きや恐怖、不安といった“声にならない”息遣いまでも逃すことなくとらえ、観客のもとへと届けてくれる。
ブルーロックでの戦いを通して、凪は初めて自分のなかに灯る小さなエゴに気づくことになる。また、これまでサッカーには関心がなく、ただ求められるがままに玲王の夢を共に追うようにしてここまで来た自分にも、「負けると悔しい」という気持ちがあることにも気づく。試合を通して潔の強烈なエゴに触れた凪がわずかに恐怖するような表情と声、凪の変化を目の当たりにした玲王のショックを感じさせる息遣い。絶対に負けられない、そんな戦いが続くなかで揺れ動くブルーロックメンバーの心情は、優れたシナリオとキャストによって見事に表現されているが、その魅力を何倍にも高めてくれるのがIMAXの卓越した映像美と、わずかな音も正確に再現するサウンドシステムなのだ。
自分がこれまで歩んできたサッカー人生と、これからのサッカー生命をかけてストライカーたちが熱い戦いを繰り広げる『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』。鬼気迫る試合の連続と、ブルーロックで勝利を目指して走るキャラクターたちの心の動きは、IMAXでこそ最大限に表現され、ドラマティックな映画体験を届けてくれるだろう。
文/藤堂真衣
※島崎信長の「崎」は「たつさき」が正式表記