「俺たちはまだやってるぜ!」70歳を過ぎた舘ひろしと柴田恭兵が語る、同世代の「あぶ刑事」ファンへの想い
「恭サマはロマンティストなんだよ」(舘)
――劇中で彩夏がタカとユージに対して、「愛、超えてるじゃん」と言うシーンがありましたが実際にそんな関係でしょうか?
舘「そうですね。唯一無二のバディだと思います」
柴田「やりやすいとかやりにくいとかは超越して、僕と舘さんはそのままタカとユージ。それはほかの役者さんでは無理なんですよね。すごくラクですし、楽しいです。お互い刺激し合っているから上にいけるんだと思います」
――最後のシーンでお2人が昔と変わらずジャンプしている後ろ姿も印象的でした。
柴田「70歳を過ぎてこの映画を撮ろうと約束したけれど、亡くなってしまったスタッフが何人かいます。空に向かって亡くなった方々の名前と『見守ってくれてありがとうございました!』と言って、最後に『“あぶ刑事ベイビー”アイ・ラブ・ユー』と叫んでジャンプしました」
舘「恭サマはロマンティストなんだよ。僕はハァハァ言っちゃって、名前を呼んでる暇はなかった(笑)。でも本当に、プロデューサーの黒澤満さん、カメラマンの仙元誠三さん、殺陣師の高瀬将嗣さん、監督の長谷部安春さんといった、最初の『あぶ刑事』を作った彼らのおかげでいまがあるんだと思います」
「走るのが遅くても、アクションで負けてもいいんですよ。一生懸命やっているところを見てほしい」(柴田)
――昭和、平成、令和を駆け抜けてきたタカ&ユージが、いまも活躍する姿に元気をもらう人はたくさんいると思います。お2人が年月を経てもカッコよくいられる秘訣はどんなところにあるのでしょうか?
柴田「当時35歳だった最初のドラマシリーズの時、僕は同世代に観てほしいという気持ちでやっていました。そしていま72歳になりました。いまも同世代に向かって『俺たちはまだやってるぜ。皆も映画観て元気になってね』っていう気持ちを伝えたくてやっている気がします。だから走るのが遅くても、アクションで負けてもいいんですよ。あえてCGやワイヤーアクションは使わず、一生懸命やっているところを見てほしいです」
舘「カッコよくいられる秘訣かどうかはわかりませんけど、僕はずっと女の人のことしか考えていません(笑)」
柴田「ほら、元気でしょ(笑)?」
――そんなお2人の姿を見て、若い世代にも新たなファンが生まれそうです。もしもさらに新作を観たいという声が出たらどうでしょうか?
舘「体力と相談ですかね」
柴田「舘さんが『集合!』って言ったら集合せざるを得ないです(笑)」
取材・文/石川ひろみ