ケイト・ブランシェット、アニャ・テイラー=ジョイらを勝手に表彰!第77回カンヌ映画祭を輝かせたベストドレッサーを総まとめ
「ベスト・スリーク」賞: ロージー・ハンティントン=ホワイトリー
スリークとは、うねりのないまっすぐで、ぴっちりと撫でつけるようなヘアのスタイルを表すことが多いけれど、ヘアもさることながら、なめらかで流れるようなスリークファッションでも魅せたのが、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー。『The Substance』のレッドカーペットでは、ヴィクトリア・ベッカムを着用。ジャンプスーツというよりは、オールインワンというほうが的確な洗練度。ドレスではなくパンツだけれど、カジュアルには見えず、カッコいい。
翌日の『The Shrouds』のレッドカーペットでも、スリークなヘアメイクに、シアーなサンローランを合わせた。ラインやシルエット、ヘアメイクのテーマも統一すると、こんなにもクールなのね!
「YouTubeならバンされちゃうかも」賞:ベラ・ハディット
カンヌに舞い戻った現代のスーパーモデルはやっぱりおしゃれ!と各メディアから好評だったベラ・ハディット。いちばん好評だったのは、『Beating Hearts』のレッドカーペットで披露したヴェルサーチェ。2001年春のオートクチュールのアーカイブだそう。胸元から続く、透け感のあるチュールはホルターネックデザインで、スパンコールのゴージャスなスカートへとつながっている。ヘアメイクをおさえ、リップもヌーディーにしたことで、耳元のシャンデリアのようなイヤリングが際立つ仕組み。
セバスチャン・スタンがドナルド・トランプ役を演じる『The Apprentice』のプレミアには、風光明媚なフランス南部の景観のようにニップルがお目見えしたイヴ・サンローランのドレスを着用。オリジナルは、アンソニー・ヴァカレロによる2024秋冬のランウェイのもの。ドレスの色に、このアースブラウンを選んだことが、下着感や奇妙な色気が出ずに済んでよかったところだと思う。
「ベスト・ヘアメイク」賞:テイラー・ヒル
ゴージャスな夜会巻きやボリューミーで豊かなヘアも、グラマラスなセレブの象徴ではあるけれど、ピクシーでもこんなにキュートにオールド・ハリウッドを再現できるなんて!寸分たがわず計算されたヘアに合わせた、特にアイブロウとアイラッシュ、つまり“毛”を制したことでパーフェクトが実現されたヘアメイクにコーディネートしたのは、バルマンのストラップレスドレス。ホワイトと脚の付け根まで入ったスリットが高貴な雰囲気を際立たせている。ゴージャスを極めたメシカのチョーカーネックレスも、彼女を輝かせる準主役に過ぎない。
文/八木橋恵