バンドがアツかった時代のスリリングさ、高揚感を呼び覚ましてくれた!音楽でひも解く「ぼっち・ざ・ろっく!」の魅力
2022年秋に放送され、国内外問わず絶大な支持を集めたテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。本作を再編集した2部作の前編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』が公開中だ。アニメ放送終了後も劇中バンド「結束バンド」がシングル「光の中へ」をリリースし、キャスト陣登壇のワンマンライブも開催するなど、未だ人気が衰える気配はない。8月に開催される野外音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」への参加も発表されるなど、アニメ&アニソンの枠を越えて音楽シーンにも影響が波及する「ぼっち・ざ・ろっく!」の魅力とは?
アジカンファン、邦ロックファンからも注目を集める「ぼっち・ざ・ろっく!」
テレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」は、芳文社「まんがタイムきららMAX」で連載中のはまじあきによる4コマ漫画が原作。アニメーション制作を「SPY×FAMILY」や「Fate/Grand Order」シリーズで知られるCloverWorksが担当。のちに「葬送のフリーレン」を手掛ける斎藤圭一郎が監督を務め、放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」を手掛ける吉田恵里香がシリーズ構成・脚本を担当している。さらに、音楽シーンで名の知れたアーティストが数多く参加した、クオリティの高い楽曲群も人気の要因だ。
極度の人見知りで陰キャな高校一年生、後藤ひとり(通称、ぼっち/声:青山吉能)は、バンド活動に憧れてギターの腕を磨くも、性格が災いして未だ夢を叶えられずにいた。そんなある日、とある事情でギタリストを探していた他校の先輩、伊地知虹夏(声:鈴代紗弓)に声をかけられ、彼女がドラムを担当するバンド「結束バンド」に加入することに。腕前は確かなのに、人前だと緊張してしまい、誰かと合わせて演奏する経験も乏しいひとり…。虹夏やベースの山田リョウ(声:水野朔)、ボーカル&ギターの喜多郁代(声:長谷川育美)と共にライブハウスや文化祭のステージを目指していく。
作者がロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのファンであることで知られ、結束バンドのメンバーの名字もアジカンのメンバー名に由来し、4人がアルバイトをするライブハウス「STARRY」もアジカンの活動の原点である東京・下北沢の「SHELTER」をモデルにしている。また、各話タイトルもアジカンの楽曲名をモジっており、最終話である第12話では「転がる岩、君に朝が降る」がエンディングテーマとしてカバーされたことなどから、アニメファンだけでなくアジカンファン、邦ロックファンからも注目を集めた。