JIN除隊、デビュー11周年…ARMYライターが「BTS RETROSPECTIVE in Cinema 2024」で改めて感じたBTSメンバーの“尊さ”
7人のこれからの人生が穏やかで幸せなものであってほしいと心から思う
JIMINはライブで足を痛めてしまってつらそうに寝転んだりと、自分だって身体を酷使していてしんどいはずなのに、常にメンバーに優しく寄り添う姿が印象的だった。とくにVとJUNG KOOKの年下メンバー(実際はVと同い年だが、JIMINのほうが誕生日が早い)がつらい状況の時、そばには必ずJIMINがいた。JIMINの優しさに、一体メンバーはどれだけ救われているのだろうか。また、メンバーがライブ中に英語で挨拶をするJIMINの真似をしたら、Vが「違う、もっとこんな感じ」と完璧にモノマネをしていて、“クオズ”(VとJIMINのコンビ名)の強く深い絆を感じることができた。先日のJINの除隊の時も、熱くハグしあうクオズが本当に尊かった。また余談だが、JIMINは“BTSの天使”と言われるほど常に可愛らしいのだが、実はものすごく酒豪という最高すぎるギャップの持ち主。パリでの会食中も、優雅にワインを飲む姿が非常にかっこいい。
ツアー中に喉の調子が悪くなってしまい、思うように歌えなくなってしまったV。本番前までなんとか歌いたいと必死で声を出し続けるが、どうしても高音パートが出ない。結局、ライブ本番ではボーカルライン(JIN・JIMIN・V・JUNG KOOK)の楽曲「The truth untold」の自身のパートが歌えず、もどかしい表情のままステージに立つことに…。しかしそのパートをなんとARMYが、まるでBTSの一員になったかのように熱唱して彼を支えてくれる。そのARMYの歌声がとても美しく感動的だ。舞台を降りた直後、悔しさのあまり座り込んで号泣するVに、思わずもらい泣きしてしまった。BTSは過酷なスケジュールの中、心も体も疲弊して、それでもARMYのためにステージに立ってくれている。それが一体どれだけ大変なことなのか…。また、自分のパートを熱唱してくれたARMYにVは、「昨日よりもっと、明日より少なく、愛します」と素敵すぎる言葉を贈った。Vは本当に、綺麗な言葉を生む天才だ。ARMYにとってはおなじみの“ボラへ”も、Vが生み出した造語である。
末っ子のJUNG KOOKはソウル公演終了後、ソロステージがうまくいかず涙を流す。そんなJUNG KOOKをヒョン(韓国語で「兄」の意味)たちが「上出来だったよ!」「泣かないで」と励ます姿が愛おしい。JUNG KOOKは誰よりも自分に厳しく、少しのミスも許せないタイプだとARMYはご存知だと思うが、本当にライブに全身全霊で挑んでいるのだなと、改めて尊敬せずにはいられない。ロンドン公演では足首を怪我してしまい踊ることができず、座った状態でライブに参加することに…。劇中でRMが「JUNG KOOKのメンタルが心配だ」と話していたが、これほどまでにライブに命を懸けている彼が、怪我で踊れなかったあの日々はどれだけ辛かっただろうか。ライブ中、踊っているメンバーたちに手を伸ばす姿が切なかった。しかしパリでの打ち上げではすっかり元気を取り戻し、もりもりと美味しそうに大好きなごはんを食べまくっていて微笑ましかった。
映画のラスト、RMが「僕たちは特別な経験をしているけど、大勢の若者がしている経験ができていない」というような話をする。BTSは紛れもなく世界的スーパースターだけど、それと同時に私たちと同じ人間であって、普通に悩み苦しみ、そして多くのことを犠牲にしながらもステージに立ってくれていたのだ。そんな彼らの努力や葛藤を知れば知るほど、ただただ、7人のこれからの人生が穏やかで幸せなものであってほしいと心から思う。それでもSUGAが「20年、30年経ってもステージに立つ」と宣言していたように、きっとこれからもBTSは、世界中のARMYのためにステージに立ち続けてくれるのだろう。私たちARMYはそんな7人を応援することしかできないが、せめて彼らが誇りに思えるようなファンであり続けたい。
本作以外の『BREAK THE SILENCE:THE MOVIE』『BTS: Yet To Come in Cinemas』の2作品でも「声出しOK!ARMY BOMBライト連動応援上映会」が開催中だ。改めてドキュメンタリーを観てBTSメンバーに思いを馳せながら、全員が兵役から帰ってくる姿を心待ちにしたい。
文/紺野真利子