映画祭出身の監督も凱旋!“映画祭の顔”オープニング作品から、新たな才能を発掘し続ける「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の魅力に迫る - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
映画祭出身の監督も凱旋!“映画祭の顔”オープニング作品から、新たな才能を発掘し続ける「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の魅力に迫る

コラム

映画祭出身の監督も凱旋!“映画祭の顔”オープニング作品から、新たな才能を発掘し続ける「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の魅力に迫る

今年のコンペも秀作ぞろい!SKIPシティで映画祭の醍醐味を体験

国際コンペティション『ミシェル・ゴンドリー DO IT YOURSELF!』(フランソワ・ネメタ監督/フランス)
国際コンペティション『ミシェル・ゴンドリー DO IT YOURSELF!』(フランソワ・ネメタ監督/フランス)[c]François Nemeta

今年の国際コンペティション部門にも、世界各国の新鋭監督がつくり上げた力作が揃った。第二次世界大戦下のデンマークを舞台に難民問題を描く『Before It Ends(英題)』(アンダース・ウォルター監督/デンマーク)、母を亡くし、家計を支えようとする中学生を主人公とした『嬉々な生活』(谷口慈彦監督/日本)、子どもを望んだ2人の女性の愛の物語『子を生(な)すこと』(ジュディス・ボイト監督/ドイツ、ノルウェー)、ミシェル・ゴンドリー監督の創造の本質に迫るドキュメンタリー『ミシェル・ゴンドリー DO IT YOURSELF!』(フランソワ・ネメタ監督/フランス)、トルコ東部クルドの村に暮らす男性が、ある時始まった政治的混乱によって村を去るか、残るかの選択に迫られる『別れ』(ハサン・デミルタシュ監督/トルコ)など、国を追われる人々、社会的抑圧に抗う女性たちの物語や、経済的発展に戸惑う世代、極私的で親密な関係性を描いたものまで、映画によって世界の“いま”を感じられる作品がズラリと並ぶ。

国内コンペティション 長編部門『朝の火』(広田智大監督)
国内コンペティション 長編部門『朝の火』(広田智大監督)[c]Tomohiro Hirota

ホラー、時代劇、ロードムービー、アニメーション、 ヒューマンドラマといった幅広いジャンルが集まった国内コンペティション部門では、若手映像クリエイターによる意欲作が日本初上映を迎える。ごみ処理施設焼却炉をを舞台に「奪われた」30年の姿を悪夢として織り上げる『朝の火』(広田智大監督)、風俗嬢のアヤとアスカの何気ない日常を描く『明日を夜に捨てて』(張蘇銘監督)、かけがえのない“わたし”と、大切な“あなた”に、幸福が訪れる物語『雨花蓮歌』(朴正一監督)、一人暮らしをすることになった女性が、引きこもりの兄と日の沈まない町で出会う様子を幻想的につづる『折にふれて』(村田陽奈監督)、家族の天体観測が不思議な宴と化していく『昨日の今日』(新谷寛行監督)、価値観のすれ違った親友同士による別離と挫折の物語『冬支度』(伊藤優気監督)など、バラエティに富んだ日本の才能に出会うチャンスとなる。

同映画祭のメイン会場となるのは、2003年にオープンした「学びと体験の街」として知られているSKIPシティ。最寄駅となるJR川口駅までは、東京駅から京浜東北線で約25分というアクセスのよさで、さらに映画祭期間中は川口駅から無料の直行バスが運行される。野外上映や映像制作ワークショップなど、親子で楽しめるイベントも満載だ。串田監督も「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭には、300席の劇場があって、観客がいて、観客や監督との交流があって、駅の近くにはいい飲み屋があって、上映後の活動を応援してくれるスタッフの方々がいます」とあらゆる魅力を口にし、「いまや世界中にたくさんの映画祭がありますが、SKIPシティは本物の映画祭を体験できる場所です!」と太鼓判。ぜひこの機会に、フレッシュな才能や映画の可能性を堪能してみてはいかがだろう。

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」スクリーン上映は7月13日(土)から21日(日)の9日間。オンライン配信は7月20日(土)から24日(水)の5日間にわたって開催される。


文/成田おり枝

■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024
日程:【スクリーン上映】7月13日(土)~21日(日)、【オンライン配信】7月20日(土)~24日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:https://www.skipcity-dcf.jp/

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