白石和彌監督と横浜聡子監督のトークイベントも!「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」国内コンペ出品の14本をチェック

コラム

白石和彌監督と横浜聡子監督のトークイベントも!「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」国内コンペ出品の14本をチェック

個性が際立つ力作ばかり!国内コンペティション部門の長編6本の見どころは?

国内コンペティション長編部門は、デジタルで撮影、編集され2023~24年に完成した国内作品で60分以上の作品が対象となる。今年は53本の応募があり、そのなかから若き新鋭監督の個性が光る力作6作品がノミネートされた。独自のアプローチで撮りあげた人間ドラマやファンタジーなどの6本をご覧いただきたい。

我が国の「奪われた」30年の姿を悪夢として織り上げた『朝の火』

『朝の火』監督:広田智大
『朝の火』監督:広田智大[c]Tomohiro Hirota

ごみ処理施設焼却炉の丸窓には燃える火が。主人公と仕事仲間はごみの山に潜り込む。部下を虐め倒す上司や、行き先を問うバスの運転手、家族を失った女性など、助けを求めることも自分を救うこともできず、皆それぞれに狂っている。監督はすでに短編が国内映画祭で評価を受けている広田智大。本映画祭での上映がワールドプレミアとなる。

森田芳光監督作へのオマージュも!『明日を夜に捨てて』

『明日を夜に捨てて』監督:張蘇銘
『明日を夜に捨てて』監督:張蘇銘

風俗嬢のアヤとアスカは、正反対な性格だが気が合い、暇さえあれば他愛のないおしゃべりをする。ある日送迎車が故障し、2人は夜の街を歩くことになるが、いつも通りの会話がしだいに意味を持ち始める。本作が初長編作品となる張蘇銘は、都市で刹那的に生きる風俗嬢たちの秘めた意志をいきいきと描きだす。今回がジャパンプレミアとなる。

かけがえのない“わたし”と大切な“あなた”に幸福が訪れる『雨花蓮歌』

『雨花蓮歌』監督:朴正一
『雨花蓮歌』監督:朴正一[c]Jengilpark

楽しい大学生活を送りながらも、家族関係や友人のさりげない言葉に悩む妹の春美。結婚を考えているが、母や周囲から反対されている姉の麗子。2人の姉妹は次第に小さな衝突を繰り返すようになる。監督の朴正一は本映画祭で2020年に『ムイト・プラゼール』で短編部門の観客賞を受賞。今作が初長編監督作となり、今回ワールドプレミアとなる。

みずみずしい演技と幻想的な世界観が魅力の『折にふれて』

『折にふれて』監督:村田陽奈
『折にふれて』監督:村田陽奈[c]村田組2023

就職先が決まり独立することになったふみは、父と引きこもりの兄を残していくことが気がかりだ。ある日、ふみは不思議な町へ迷い込むが、そこには長い間姿を見せなかった兄がいた。本作が初長編となる監督の村田陽奈は、画面のサイズを自在に切り替え、ふみをとりまく世界を繊細に描きだす。今回がワールドプレミアとなる。

家族の催しがやがて不思議な宴と化す『昨日の今日』

『昨日の今日』監督:新谷寛行
『昨日の今日』監督:新谷寛行[c]昨日の今日

高校生の結衣は友人の楓を自宅に招き、流星群を観測することに。父の雄一もバーベキューの準備を始めるが、そこに母の紀美子のはとこである辰彦が現れ、不思議な宴が始まる。主演にナイロン100℃の劇団員・眼鏡太郎を迎え、不思議な間を追求した作品に。新谷寛行監督は本作が初長編監督作品となり、今回ワールドプレミアとなる。


親友2人の別離と挫折を優しい眼差しで描く『冬支度』

『冬支度監督』監督:伊藤優気
『冬支度監督』監督:伊藤優気

山々に囲まれた長野の田舎町。建と明は常に行動をともにしてきた親友同士で、建は農業、明は印刷業に励んでいた。建の祖父の死をきっかけに、2人は次第に仕事や生活への価値観の違いに気づき始める。本作が監督1作目となる伊藤優気は、俳優を志し上京後、制作にも関わりたいと思い、独学で脚本を学んだ。今回がワールドプレミアとなる。

■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024
日程:【スクリーン上映】7月13日(土)~21日(日)、【オンライン配信】7月20日(土)~24日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:https://www.skipcity-dcf.jp/

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